テールカウルのチリ合わせの続きです。前側取り付け点に汎用の厚さ10ミリスペーサーを入れただけではあまり改善できませんでした。

そこでいつもの方法に切り替えます。先ずは10ミリ厚のアルミ板からアップスペーサーを製作します。

スペーサーはこんな感じ。いつものスペックです。取り付け点が10ミリズレているのがポイント。

スペーサーをフレームに取り付けます。

横から見るとこんな感じ。取り付け点がほぼ真上に移動しているのがわかります。移動量は約14ミリです。

リヤ側は調整代があるのでこれを利用してダンパーの前後位置を補正します。リヤマウントの高さは既に上がっているので変更無しです。

ダンパーをカウル後端裏側にフィットするまで後退させ、新しいボルトナットで固定します。

前側スペーサーにカウルを取り付けます。ボルトの頭はシート裏に当たるので、出っ張りの少ない超低頭ボルトを使用します。

結果はこちら。シートとテールカウルの段付きラインがほぼ揃いました。シート上の隙間も最小です。テールレンズは少し引っ込んで付いているのでこちらはノーマルの出代に修正します。

改造されたテールランプブラケットを丸ごと後方にずらすのは構造上できなかったので、テールランプASSYの純正ラバーマウントを生かしながらずらせるよう、大きめのスペーサーを製作。

スペーサーを介してテールランプASSYを取り付けます。これで約20ミリの補正となります。

最終結果はこちら。このようにテールランプASSYのベースが、テールカウルのフチから少し見える状態がノーマルです。やはりこの位置関係の方が整った感じになると思います。

ナンバーの角度やリフレークターはこのままで合ってますね。

続いて車検整備です。フロントブレーキのフルードを交換します。一年余り前に交換していましたが、これから2年か4年ほど使うだろうから交換しておきます。

キャリパーはブリーザーが奥にあるCP2696なので、キャリパーを車体から外した状態でフルード交換します。

フルード交換後はこちら。フルードがよりクリアになりましたね。

空気圧は減っていたので補充します。ワイドラジアルタイヤの場合、概ねフロント2.3キロ、リヤ2.5キロを推奨します。ラジアルはバイアスに比べ総じて高めが標準です。

ホイールを回してフロントホイールベアリングを点検。フリクションの大きさや手に伝わる振動などで良否を判断します。

フロントをジャッキアップした状態でステアリングを左右に動かし、ステムベアリングの状態を確認します。この車両は今年の1月に純正オフセット60ミリステムから純正50ミリステムに交換し、その際ベアリングも交換しているのでスムーズです。フォークのガタも同時にチェック。

フォークのエア圧もチェックします。数か月で下がってくるので、定期的な補充が必要な個所です。体重75キロ前後(ウエア類もフル装備の状態で)であれば、標準値の0.5キロくらいを推奨します。フォークのエア圧による空気バネの効果は、金属スプリングのレートに上乗せされた感じとほぼ同等に働くので、エアが抜けている状態だとフロントサスは柔らかく感じ、車高も若干下がります。その特性を踏まえてお好みで調整するといいでしょう。ツーリング先の帰り道、エア圧を下げてコンフォートに帰ってくるのもいいかもしれません。

リヤ周りも点検します。ホイールベアリングやスイングアームピボットベアリングの状態、特にダイマグなどの社外ホイールの場合はハブダンパー周りのガタに注意。早期発見が大事に至るのを防ぎます。

電装系や灯火類もチェックします。ヨシムラプログレス2のマルチテンプメーターを付けていますが、時計が合っていません。時計がくるうようになったら内蔵電池が弱ってきたサインです。このサブメーターはイグニッション連動でON・OFFされるので、車両から電源供給されていると思いがちですが、その電源は表示のON・OFFとバックライトの為だけで、時計は内蔵電池のみで動いています。なので約1年毎に電池交換が必要になります。

裏蓋を開けて電池を交換します。電池の規格はCR2032です。新品時の定格電圧は3Vですが、外した電池の電圧は1.7vまで下がっていました。

時計を再設定します。電波時計ではないので、1ヶ月で1分前後はズレていくでしょう。都度修正してください。

このあと車検場で継続検査です。
