エンジン腰下を分解点検します。
今回、オイルクーラーはコアを含めてほぼ全体を更新しますが、取出しブロックは既存の物が使えそうなので継続使用しようと思います。コネクター類も一旦分解して点検します。
オイル取出しブロックを外します。Oリングにも液体ガスケットが塗られていますが本来は不要です。余分な液体ガスケットはオイル通路に流入して詰まりの原因になりうるので要注意。
ミッションカバーを外します。カバーは630シールチェーンとの干渉で大きく削れています。
削れは裏側までは達していないようです。この前期型ミッションカバーは希少品なので、きれいな中古品の入手は困難です。
エンジンのカバー類が全て外れました。
エンジンを反転します。
オイルパンを外します。オイルパン内は非常にキレイですね。若干堆積した異物の大半は、ゴム片とオレンジの樹脂片です。ゴム片はカムチェーンローラーとカムチェーンガイド由来、オレンジの樹脂片はノーマルジェネレーターローターのマグネット接着剤由来と思われます。
オイルポンプのストレーナーには、少々異物が付いています。
半分ほどは繊維状の物、残りはゴム片と非鉄金属粉でした。金属粉は磁石に付かないのと白銀色なのでアルミのようです。今のところ出所は不明。
オイルポンプを外します。
ケースボルトを全て外し、ジャッキポイントにM8ボルトをねじ込んでジャッキアップ、ケースを分離します。
ケースを分離して3軸の状態を確認します。目立つ損傷はないようです。ギヤのドグなどもきれいです。
3軸を外しアッパーケースを点検します。
ベアリングハウジングはフレッチングコロージョン（振動摩耗）も少なく比較的きれいです。右から2番目のノックピン周辺も、クラックは無く良好です。
ミッションベアリングのハウジングも比較的きれいです。
クランクを点検します。各ベアリングは主に手の感触で判断。全てスムースに動き、スラスト、ラジアルのガタも極小なので問題無し。
ダイヤルゲージで振れを計測します。0.02ミリなのでこちらも良好。
点検棒をコンロッド小端部に通します。スムーズに通り完全に一致している感じでこちらも良好です。
ケースも塗装するのでロアーケースにあるシフト関係の部品なども全て外します。
ここのOリングは社外品でした。液体ガスケットが塗られているのも純正と異なります。よって、クランクケースも分解歴があるようです。
シフト関係とリリーフバルブなど、外せるものは全て外します。シフトドラムなども摩耗は少なく良好です。
エンジン部品の合わせ面など、ガスケットを剥がしエッジ部のバリ取りをします。その後全てオイルストーンで擦り、表面のゴミを取り除きます。
エンジンのカバー類も同様にガスケット剥がし、バリ取り、オイルストーンで擦り合わせします。
エンジン部品など、今回塗装やポリッシュする部品の下準備ができました。このあとは塗装屋さんに送って表面仕上げです。ブラックはセラコートで仕上げます。オイルパンなど未塗装部分はウエットブラス仕上げのみ。純正でポリッシュ仕上げの部分は、同様にポリッシュします。
