Z1000R2 A.T様 カムホルダーネジのヘリサート加工

カムホルダーのネジ山が破損しているので、ヘッドを外して修理します。

 

マフラーを外します。

 

だいぶ底打ちしているようです。

 

ヘッドを外します。

 

燃焼室のカーボン堆積は多めです。

 

ヘッドガスケットは、3・4番側が上下逆に組まれていました。

 

シリンダーを少し浮かせます。

 

スタッドボルトの周りに溜まっている砂などがかなりあります。

 

クランクケース内に落とさないよう、先に掃除機で吸っておきます。

 

先ほどの逆組ヘッドガスケット。ボアのグロメットの楕円側をヘッド側にするのが正解です。

 

シリンダーを外します。

 

ピストンヘッドのカーボンもかなり多めです。

 

堆積したカーボンの厚さは1ミリほど。

 

シリンダーは比較的きれいです。

 

バルブステムシールは、エキゾースト側がかなり硬化しています。

 

クラックもかなり入っています。

 

先に見つけたオイル通路のバリを除去します。

 

内径にフィットするドリルで揉み取ります。

 

バリ取り完了です。

 

ヘッドのカーボンを除去します。

 

燃焼室側も全面に1ミリほどカーボンが堆積しています。

 

カーボン除去中。

 

ほぼ、カーボンが取れました。

 

カムホルダーネジを修理します。

ほとんどにヘリサートが入っていましたが、1Dの短いものでしたので、トルクに耐えられなかったようです。全て除去し、下穴を底まで開け直します。

 

ヘリサートタップを底まで立てます。

 

ヘリサートのタップ立てが済んだら、ヘリサートを挿入します。

深い穴なので、押し込み用に3段重ねしています。

 

ヘリサートを押し付けながら、ハンドルは回転方向だけに力を入れます。

 

ヘリサートが所定の深さまで入ったら、タングを折り取ります。

 

細いドライバーをマグネタイザーで磁化します。

 

ネジ穴の底から折ったタングを回収します。

 

今回は、通常より5ミリほど奥にヘリサートを設置しました。

多くの場所で口元のネジが破損しているためです。

 

ボルトは全数ロングボルトに交換します。

 

ロングボルトを手でねじ込み、スムーズにそこまで入ることを確認します。

 

これを16ヵ所のネジ山に全て行います。

 

ヘリサートが全て挿入できました。規定トルクが掛かるか確認します。

 

シリンダーのM6ネジも傷んでいたので、両側ともヘリサート加工します。

 

バルブのカーボンを除去します。バルブは特に問題無いので継続使用です。

 

ヘッドの組み立て準備ができました。

 

スプリングシート入れ、ステムシールを圧入します。

圧入したら、デンタルミラーでスプリングがしっかりはまっているか確認します。

 

ヘッドの組み立て完了です。

 

ピストンは、外してカーボンを除去します。

 

純正0.5ミリオーバーサイズです。

 

カーボンを除去して点検します。特に問題無いので継続使用します。

 

ケースのガスケットを剥がし、ピストンをセットします。

 

シリンダーを挿入します。

 

ヘッドガスケット、Oリング、チェーンガイドなどをセットします。

ヘッドガスケットの向きはこれが正解です。

 

ヘッドを組み付けます。