Z1000Mk2 S.T様 ヘッドの修理

シリンダーベースのガスケット剥がしの続きからです。

こちらは剥がす前。

 

ガスケット剥がしは、2日に渡って合計2時間半かかりました。

 

ピストンが入荷したら、この後0.5ミリオーバーサイズへのボーリング加工です。

 

続いてヘッドの修理です。

×印15ヵ所がヘリサートを新規に入れる、もしくはヘリサートの交換箇所です。

 

先ず、ヘリサートタップ用の下穴を開けます。

 

ヘリサートタップを立てます。

 

ヘリサートを挿入します。

 

奥のタングを折ります。

 

マグネットドライバーで折ったタングを回収します。

 

ボルトが奥までスムーズに入ることを確認し、規定トルクが掛かるかも確認します。

 

15か所のヘリサート加工が終わりました。続いて、エキゾーストスタッドボスの修理です。

 

10ミリに拡大された箇所を溶接盛りして元の8ミリに戻します。

 

先ず、溶接トーチが入る方向に大きく削ります。

 

内部にボルトの残骸などは無いようですね。

 

溶接で少しづつ盛っていきます。

 

アルミは溶接盛り中に垂れやすいので、向きをいろいろ変えて盛り続けます。

 

盛り上げ完了です。

 

外側を少し整形し、治具を使ってスタッド穴の位置を割り出します。

 

初めは下穴の中心に細いボルトで穴開けします。その後、下穴径へ拡大します。

 

タップを立てます。

 

他のネジ穴も全てタップで修正し、エキゾーストスタッドのネジが全て復活しました。

 

取り付けもピッタリです。

 

続いて、燃焼室とポートのカーボンを落とします。

 

カーボン落とし後がこちら。

 

バルブシートは特に損傷はありません。シートカットされてだいぶ下がっているようなので、コストを考えて今回はバルブ擦り合わせして継続使用とします。

 

溶接修理部分は、更に仕上げてこんな感じにできました。