車両を入手してから特に点検していないとのことで、
カムホルダーなども含めて、全体的な点検のご依頼です。
点検の前に、先ずはリヤショックをお持ち込みのワークスパフォーマンスに交換します。
全長が385ミリと長く、オーバーホール歴もあるそうです。
既存のリヤショックを外します。
外したショックの状態をみてみましょう。
エンドアイのブッシュはナイロン製ですが、劣化して荷重の掛かる方向に消耗しています。
ワークスパフォーマンスではよく見られる症状です。
ナイロンは、空気中の湿気を吸収したり紫外線を浴びたりして劣化します。
ナイロン製のエンドアイブッシュの寿命は、かなり短いとお考えください。
新しいショックを付けるために、スペシャルワッシャーを用意します。
内径をφ14ミリジャストにし、突き当りの角アールを逃げるために大きく面取りしておきます。
ワッシャー外径を大きくする理由は、ナイロンブッシュが劣化しても横にスライドしないようにするためです。
ワッシャー内径をシャフト径ピッタリにする理由は、ブッシュのカラーの肉厚が薄いためです。
外側のワッシャーも内径にフィットしたスペシャルです。
グラブバーを挟み、このように取り付けます。
リヤショックを取り付け、1Gサグでのストロークを計測します。
1G乗車でストロークの1/3ほど沈むように、プリロードは約10ミリとします。
1Gでの車両姿勢はこんな感じです。
リヤの車高が上がったため、サイドスタンドでは更に大きく傾く結果となりました。サイドスタンドも長さと角度を修正します。