エンジンオーバーホールの為、エンジンを下ろします。
マフラーは後半がかなり加工されていますが、集合部のジョイントからは排気漏れするとのこと。アルミテープが巻かれています。
中間パイプを外します。
アルミテープを剥がして再度接続してみると、集合部はもっと奥までしっかり挿入できることがわかりました。口元1センチくらいしか刺さっていなかったようです。
奥まで挿入した状態だと、パイプがフレームに当たり全く元のレイアウトにはなりません。中間パイプは切断して向きを変える処置が必要です。
エキパイを外します。スタッドボルトが傷んでボルトに変更したとのこと。
この1ヶ所は、ワンサイズアップの10ミリネジとなっています。
フランジの方は全て10ミリ穴に拡大されています。
エンジンを下ろす前にオイルを抜きます。
エンジン補器類が全て外れました。
この車両の懸案のひとつ、クランクケースの欠けが良く見えるようになりました。
エンジンマウントのひとつが大きく欠けています。フレームには大きな損傷は見られないので、いつ頃どうしてケースだけ欠けたのか不明とのこと。
クラッチレリーズを外します。
レリーズプレートは、中間のカラーが長さが3ミリほど短いようで、大きくしなって取り付いていました。カラーは長い物に交換する必要があります。
スプロケットを外します。オフセットスプロケが付いていますが、チェーンラインは合っているのでしょうか。
リヤホイールを見ると、チェーンラインは約88ミリでノーマルのようです。
フロントオフセットスプロケは不要ですね。しかし、ノーマルチェーンラインだと、150タイヤはチェーンとやや干渉する傾向があるので、前後とも3ミリ以上はオフセットしたいところです。
エンジンスライダーを外します。
左は相当回さないと外れませんでしたが、右は3回転ほどで外れました。
スライダーのステーに雌ネジが切ってある構造です。
ただ挿入しただけでこれだけ入ってしまいます。ネジ山が掛かっていたのはこの隙間分だけです。
左はかなり飛び出しているので、スタッドボルトの左右振り分けが悪いようです。
右側のエンジンマウントプレートを外す際、バッテリーケースのボルトが斜めになっているのに気が付きました。
ネジ穴が合わないまま、斜めに取り付けたようです。ここも要修正。
ジャッキでエンジンを支え、エンジンマウントを全て外し、エンジン下ろしに入ります。
ドレンボルトがアンダーフレームの外に出るまでエンジン下側を引き出します。
アンダーフレームを中心に、エンジンを車体右側に傾けると外れます。
そのまま脇の台に仮置きします。
ジャッキで下ろし、エンジン台車に載せます。ここまで一人で作業できます。
フレームを点検します。
サイドスタンドブラケットの辺りが大きく変形しています。クランクケースの欠けと関係があるのでしょうか。それとも、サイドスタンドブラケットが剥がれてきたのを修理した痕でしょうか。
変形の上からフレーム全体再塗装されているので、修復はうまくいったのでしょうか。
裏側はかなり叩いた痕もあります。
下ろしたエンジンの外観をチェックします。
中心付近、オイル漏れが見られます。
クランクケースの欠けは、周辺までは被害が及んでいないようです。
修復は、溶接盛りするかケース交換になるかもしれません。
残っているスタッドは抜けなかったそうです。
3番下側がM10ミリに拡大されています。ここは溶接で盛って元の8ミリにしたいところです。
他のネジ穴も、少し傾いている感じのところもありました。分解後、更によく点検します。