ステムとメインハーネス交換の続きです。
ハンドルはB2の純正アッパーステムに穴開けして背の高いハンドルポストで付けられていました。穴の形状から加工の苦労が伺えます。
フロントをジャッキアップしてステムベアリングのガタがあったので増し締めすると直りました。念のため分解点検してみると、ベアリングのローラーやレースには特に損傷は無いようです。
フロント周りごと下げて、ロアーベアリングの状態も確認します。こちらも特に損傷は無いようです。
上下ともグリスアップして復元します。
今回アッパーステムはZ1000-R2純正品を使います。角メーター車ならR2ステムがボルトオンです。ライディングポジションもこれが一番しっくりくると思います。
オフセットは50ミリです。ポジションはR1・J1などのバーハンドルとほぼ同じです。
R2アッパーステムを取り付けます。イグニッションスイッチもボルトオンです。ハンドルロックもそのまま使えます。
ハンドルはAREA製のスーパーバイクハンドルを使います。スーパーバイクらしく、ハンドル上面を水平にセットします。
続いてメインハーネス交換へ。新しいハーネスは今でも買えるZ1000-R2純正新品を使います。部品番号は26001-1511です。現在カワサキのオンラインショップでの在庫数は「在庫僅少」と表示されているので、もうすぐ廃盤になるかもしれません。交換予定の方は今のうちにストックしておくことをお勧めします。
スロットルケーブルはハイスロ用の標準的長さ、900ミリに変更します。
既存のハイスロボディーに取り付けます。潤滑のためエンジンオイルをケーブル内に10滴ほど注しておきます。
クラッチケーブルも通常の長さの物へ交換します。部品番号は54011-1101、主な適合はZ1000R Z1100GP Z750GPなどのコンチハンドル車です。
クラッチケーブルを取り付けます。
ハイスロを取り付けます。
スロットルケーブルとタンクの干渉を確認します。この場合は干渉するので、ケーブルは前出しとします。
スピードメーターケーブルも、メーター側ナットが損傷しているので交換します。
スピードメーターケーブルは在庫していたゼファー400用を使います。こちらはZ1000R系純正は既に廃盤、これからはMk2系の社外品を使うことになるでしょう。
スピードメーターケーブルを取り付けます。その際はフロントをジャッキアップした状態でもルートを確認した方がいいです。
ケーブルは社外のキャリパーなどに引っかからないルートを選びます。この場合、ギヤボックスからの取出しの向きが下向き過ぎてやや曲げがきつくなっています。
アクスルシャフトのクランプを緩め、アクスルシャフトごと回してケーブルの出る向きを調整します。
錆びているナットなどはついでに更新しておきます。
目立つナットやボルトを新しくするだけでも気持ちいいものです。
ハンドル周りの変更、ほぼ終わりました。このあとブレーキホースを現車合わせで製作します。
続いてメインハーネス交換の準備です。素材はZ1000-R2純正です。純正ハーネスのルートはヘッドライトケースからでてステムの下をとおり、オイルクーラー上のガセットの隙間を抜けてフレーム内に入ります。このルートだと現車のような大型オイルクーラー付車の場合は、コアブラケットの干渉による配線のキズが気になります。そこでハーネスのルート変更をするわけです。
新しいルートはロアーステムの上を通り、タンクとフレームの間を通します。狭い場所なので配線をスリム化すると収まりが良くなります。先ずはメインハーネス前半の被覆を剥がして大体2分割に束ね直します。この際、ハーネスは切断加工しないでこのように分割可能です。
分割したそれぞれを被覆します。スリム化はこれで完成。
あとは現車に合わせた適合改造です。先ずはカスタムウインカー付きなので、ウインカー端子をカワサキの細丸端子から大型の丸ギボシに交換します。画像はリヤ側です。
交換後はこちら。
中間部分のリヤブレーキスイッチ配線部分です。
茶色の電源端子をダブル化し、ETC車載器の電源取出し用とします。
エンジン上辺りにあるこちらの3極カプラ。黒線2本を短絡させれば、スターターロックアウトスイッチをキャンセルできます。
黒線をカプラーから抜いて繋げます。
電圧がかかるのでテープで絶縁します。因みに茶色の線はパッシングライト用の電源線なので残しておきます。
続いてこちらもエンジン上で枝分かれしている、イグニッションコイルに行く線です。
現車はウオタニSP2付きなので、赤い電源線は丸ギボシ化します。黒はノーマルタコメーターに繋がる信号線になるので、ウオタニの回転信号線を繋げるため、丸ギボシ化しておきます。
こちらはホーンのハーネスです。現車はシングルホーンなので、ダブル用の片方はまとめておきます。
ここからはヘッドライトケース内です。フロントのウインカー用端子も大型丸ギボシ化します。
イグニッションでONになる電源用として、茶色線を分岐しておきます。ここまでで主な改造は終了。あとは現車に合わせて個別の適合改造となります。
ステーターコイル側の黄色線、焦げていた端子を更新します。
B2ですがオイルプレッシャースイッチが付いているので、延長して繋ぎます。
既存のハンドルスイッチは左右ともにこのように延長加工されていました。
加工はきれいにされていますが、これをコンチハン用に短く改造するよりも、左右のハンドルスイッチは更新する方を選びました。
左のハンドルスイッチはW650前期純正を使います。デザインはZ系に合うタイプですが、スイッチ類は純正の方が信頼性が高く、ウインカープッシュキャンセルのボタンタッチもいい状態が長持ちするのであえて純正を使います。但しパッシングボタンはありません。部品番号は46091-1779です。カワサキ在庫はこれも「在庫僅少」なので、もうじき販売終了になりそうです。
右側は定番のOWタイプを使います。OWタイプの中でもアクティブ製が品質が高くいつもこれを使います。周り止めの針がハンドルに食いつく仕様で特にこれがいいところです。スイッチタッチの劣化や、紫外線による赤ボタンの退色も少ない気がします。
汎用タイプなのでR2用にカプラーを改造して取り付けます。
いつもの手法でホーンは目立たないよう、小型の物をガセットの内側に設置します。
取り付けはガセットに6ミリの穴を開けてこの位置に付けます。
ハンドル周り、おなじみのレイアウトになりました。