Z1000J1 K.K様 薄型ジェネレーターキット取り付け

 

今回は薄型ジェネレーターキット取り付け、エンジンマウントインシュレーター交換などの作業です。2023年3月にこの姿で入手後、差し当たって信頼性向上のためのメインハーネス交換などの作業を一通り先行して行ってきましたが、その第2段階です。

 

ジェネレーターカバーを外すので、車体を右側に傾けます。

  

入手以来、調子よく走るのであまり深いところまでは整備が行き届いていません。ジェネレーター周りは今回が初分解です。

 

スプロケカバーを外します。チェーンとスプロケは既に交換済みです。

 

ジェネレーターカバーを外します。

 

カバーした側には溶接で補修した痕がありました。

 

裏側にも達しているので、オイルもれを溶接で止めてあるようです。今回カバーはMk2タイプになるのでちょうどいい機会でした。

 

ローターボルトをインパクトレンチで外します。

 

プーラーの押す先に、カワサキスペシャルツールのコマを仕込みます。

 

プーラーをねじ込みます。こちらのプーラーは両方にネジがあるカワサキスペシャルツールを切断した片側です。

 

こちらもインパクトレンチで締め込みます。

 

ローターが外れました。

 

スタータークラッチですが、ボルトが3本ともかなり緩んでおりグラグラでした。きれいなので交換歴があるようですが、締め付けはマニュアル通りにしないと緩みます。新規入庫車両はココの点検はやはりしておくべきですね。今回、この辺りは全て別部品に変わります。

 

スターターギヤは同じものを使うのですが、圧痕が多数付いて傷んでいるので新品交換します。ちなみにこのギヤは販売終了となったため、今後の修理では交換が難しくなりますね。今のところ社外品の情報もありません。

  

ケース端面に残ったガスケットを剥がします。

 

仕上げにオイルストーンで面を清掃します。

 

取り付け面の準備が整いました。特に大きなキズはありません。

 

クランクのテーパーもきれいです。

 

薄型ジェネレーターキットのアッセンブリーです。ローターとスタータークラッチの取り付けボルトは仮組で納品されるので、ネジロックを塗布して規定トルクで締め付けます。

 

ここのトルクが足りないと高確率で緩みます。規定トルクを守りましょう。

 

スターターギヤは最後の純正品ストックです。

 

スタータークラッチにはめやすいよう、角を少し面取りします。

 

スラストワッシャは新品交換します。

 

スラストワッシャーをセットします。

 

スターターギヤをセットします。

 

ギヤダンパーをセットします。こちらも厚さ3種類のうち2種類は販売終了。付いていたものを継続使用します。

 

ローター軸受けのベアリングとワッシャーです。ワッシャーは面取りが大きい方を奥にします。クランク根元の隅アールを逃がすためのワッシャーなので、向きは正確に。

 

ワッシャーとニードルベアリングをセットします。

 

テーパー部分は脱脂してローターASSYをセットします。

 

キットに付属のワッシャーは、レンチが掛けやすいよう2面をカットしておきます。

 

一旦ボルトを仮組し、底付きしていないか座面の隙間がワッシャーの厚み以下であることを確認します。

 

ボルトにはロックタイトを塗布します。

 

ローターボルトは規定トルクでしっかりと締め付けます。締め付けが甘いとローターが空回りしてクランクテーパーを傷つけることも。クランクテーパーにキズが入ったらクランク交換に発展することもあるので要注意。

 

締め付け後はこんな感じ。

  

続いてカットカバーを製作します。今回はワークス丸JをモチーフにMk2カバーです。カバーは純正品を使います。

 

カットラインをマークします。

 

サンダーで少し小さめにカットします。

 

切断面を仕上げたら、エンジンに付けてクリアランスを確認します。

 

ブラインド用プレートを製作します。

 

熱で歪まないようダミーエンジンに取り付けてから溶接します。

 

溶接後はこんな感じ。

 

オイルリーク防止のため、裏側はシリコンボンドでシールしておきます。

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