ハンドルスイッチをウインカープッシュキャンセルになる、W650前期純正のスイッチに交換します。
タンクを外します。
フレーム左前のハーネスが、タンクと干渉して被覆が切れてきています。これも修理しましょう。
既存の左側ハンドルスイッチを外します。
W650のスイッチと比較します。カプラー形状が異なるので改造が必要ですね。
位置決めの突起は削除しておきます。突起が無くてもしっかりと締まるので回転することはありません。
スターターロックアウトスイッチの回路はキャンセルします。カプラーも雄雌・端子数が異なるので外します。
端子を交換し、新しい6極コネクターに同じ配線ロケーションで指していきます。
6極カプラー以外の3線は、それぞれホーン、ヘッドライト電源、アース線です。
先ほどのハーネス損傷個所を点検します。幸い内部の線はダメージを受けていないようです。
テープで被覆します。
W650のハンドルスイッチを取り付けます。ノーマルに対しこのアース線が追加となります。これはホーン回路のアース線で、ノーマルはスイッチボックスが直接ハンドルにアースされているのでアース線がありませんが、W650はメインハーネスでアースされる回路なのでこのアース線追加が必要です。
ハーネス損傷部位、クラッチケーブルの取り回しを変えて修正することに。
クラッチケーブルをレバー側で抜き、ルートをハーネスの外側に変更します。
外したついでにケーブルに注油します。エンジンオイルが粘度があり長持ちします。
中間アジャスター部分にも注油します。
レバーピンもグリスアップします。
クラッチケーブルを復元しました。ハーネスが奥になったのでタンクには干渉しなくなるでしょう。
W650純正ハンドルスイッチ取り付け完了です。因みに前期型はパッシングとハザードがありません。後期型には両方ありますが、スイッチBOXが大きくなるので、スリムな前期型がお勧めです。
ウインカープッシュキャンセルは便利です。純正スイッチなので、スイッチタッチの良い状態が長持ちします。人とのインターフェイスはストレスフリーがいいですね。
クラッチレリーズの遊びも調整します。距離を走っているので遊びゼロでした。ここはクラッチ板の摩耗により遊びが減少し、遊びゼロになるとクラッチ滑りの原因となるので、定期的に調整が必要です。この車両はPMC製のイージークラッチキットにあるレリーズベアリングを使っているため、調整方法はZ1000Rと同じ方法となります。ノーマルZ1などとは回転方向が逆になるのご注意を。
レバー部分のアジャスターは、レリーズ調整前にナットとのクリアランスを2~3ミリにし、ボルトの切り欠きを下向きにしておきます。これは走行中の雨水進入防止のため。ナットの切り欠き方向は任意の向きでOK。
レバーの遊びは冷間時に2ミリ程度にします。
レバーの遊びは中間アジャスターで調整します。レバー部のアジャスターはその後の微調整用です。
続いてブレーキフルードを交換します。先ずはフロントから。AP2ポッドキャリパーの場合、車体に装着したままだと作業し難いので、キャリパーを外してダミーローター用の板を挟み、ブリーダーを上に向けてエア抜きします。
フルードが全て入れ替わるよう、4~5回交換します。
その他増し締めなど行い、フロント周り整備完了です。
続いてリヤへ。同じくフルード交換します。
サイドカバーのグロメットがひとつ劣化していたので交換しておきます。ゴム部品は安い部品なので、純正品があるうちに新品交換しておくといいですね。少し余分に買ってストックするのもいいでしょう。ゴム部品の品質は社外品より純正品の方が総じていいと思います。
チェーンも清掃・潤滑。
ステップは弊社の直付けワークスバックステップとなっていますが、ペグのラバーが摩耗しているので交換します。使用しているペグはカワサキ純正部品のZ2タンデムステップですが、最近廃盤となりました。ひとつストックがあったのでこちらを使います。代替となる現行品のペグの場合は、エンドが内部金属が見えるタイプでKマークは無しとなります。
ペダルの軸受けのグリスを補充します。
新しいペグになりました。
反対側は摩耗が少なかったので上限反転して継続使用します。こちらも軸受けをグリスアップ。
上下反転後はこんな感じ。
スロットルもやや渋かったので、スイッチボックスを開けてケーブルに注油します。
週明け月曜日は車検場で継続検査です。