前後足回り交換の続きです。
ワイドタイヤ用にスイングアームをビトー製にしますが、ブレーキ周りはノーマルを継続使用します。そのため、トルクロッドはワイドタイヤに干渉するので逃げ加工します。
逃げ加工の必要となる部分にマークします。チェーン調整のために前後スライドするので、前後方向に長く逃げが必要です。
純正トルクロッドを切り欠きます。大きく切り欠くので別のパイプを半割れにして面沿い補強も追加します。
再度車体に合わせて逃げ部分を確認します。
切り欠き量が決まったので、穴塞ぎ用のプレートを切り出します。
プレートと補強パイプを溶接します。
スプレーで塗装します。
リヤスプロケも入荷したのでアッセンブリーします。
スプロケットは純正トルクで締め付けます。
用意したローターボルトはナットから12ミリほど飛び出すので長さを切り詰めます。
前後用21本カットしました。このあと切断面を整えて面取りしておきます。
ローターを組み付けます。
裏側はこんな感じ。ナットはホイール付属の物ではなく、ステンレス製のセルフロック付きフランジナットを使います。
スプロケキャリアをセットします。インナーカラーはクリアランスが0.5ミリになるよう、厚さを修正済みです。
ホイールに取り付けるとこんな感じ。幅4.5インチホイールで、チェーンラインは5ミリオフセットとなる仕様です。
ローター側はこんな感じ。キャリパーサポートとろーたーのセンターが合うよう、サポート左右のカラーは現車合わせで製作しています。
トルクロッドの塗装が完成しました。
トルクロッドを取り付けます。既存のブレーキホースは少々短いようなので作り変えることに。
トルクロッド逃げ部分はこんな感じ。
リヤのブレーキホースを現車合わせで新たに製作します。
ブレーキホース交換後、エア抜きします。これでリヤ周りはほぼ完成。
続いてステム交換します。現在は北米仕様のオフセット60ミリステムが付いていますが、フロント18インチ化に適したオフセット50のヨーロッパステムに交換します。
ステムは汚れを落として簡単に塗装します。
フロント周りを分解します。
フロントブレーキも継続使用するので、ローターは錆びを研磨しておきます。
リヤ同様、フロントインナーローターも、取り付けボルト穴形状がボルトに適合しないので修正します。
ボルト穴14カ所を加工します。
M8ネジ山は削除し、φ10ミリで口元をザグリます
使用するローターボルトは純正同形状のステンレス製です。カワサキ純正は根元が太い2段形状が特徴です。
ボルトをローターセットすると、裏側にφ10ミリ部分が少し飛び出すのがわかります。インナーローター側にはこの部分の逃げが必要です。
ローターを取り付けます。
裏側はこんな感じ。
スピードセンサーは中心のボルトに干渉するので、ボルトを逃げ加工する必要があります。
右側6本のみ、低頭加工します。
約2ミリ頭を低くしました。
低頭加工後のボルトを取り付けます。
フロントアクスルシャフトとスピードセンサーを取り付けます。
クリアランスは0.5ミリ程度です。
フロント周りを更に分解します。
ステムを外します。
フレーム側のベアリングレースを外します。
レースを外し、フレーム側の状態を確認します。特にキズも無くきれいですね。
塗装が終わったステムを比較してみましょう。上がオフセット60、下がオフセット50ミリです。
目視で簡単に見分けるには、指の部分の長さで判断するとわかり易いです。長い物がオフセット50のヨーロッパ仕様です。
ベアリングやナット、ダストカバーなどを新しくします。
新しいベアリングレースをフレームに圧入します。
ロアーベアリングには純正でダストシールがありません。定番のタンクキャップパッキンで代用します。
オフセット50ステムを取り付けます。
タンクキャップパッキンのダストシールは、取り付けるとこんな感じ。
上側は新品ダストカバーと新品ナットで締め付け。ナットの締め合わせは、最終的にアッパーステムのボルトを締めて、プリロードが適正になるように調整します。
アッパーステムにイグニッションスイッチを取り付けます。
オドメーターも取り付けます。裏側はこんな感じ。
フォークを仮組します。ライトステーは上下ステムでサンドイッチされる構造なので、純正のダンパーなどは過不足無く入っている必要があります。
下側、ダンパー、ワッシャーの順番はこのとおり。
上側にもエンドワッシャーが付きます。
ライト周りをセットします。
アッパーステム、ホイール、ブレーキ周りを取り付けます。
カウルを取り付け、フロント周り完成です。