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Z1000J1 A.Y様 ソードホイール ビトースイングアーム 取り付け

 

今回は注文してあったセミオーダーのビトー製スイングアームが入荷したので、足回りをカスタムします。

 

使用する主なパーツはこちら。ホイールはソードの18インチ。

 

リヤホイールを外します。

 

スイングアームを外します。

 

ノーマルスイングアームはピボットのカラーが両側ともサビていました。グリスは付いていてリペイントされているので、リペイント時にメンテしなかったと思われます。今回ちょうどいい機会でした。

 

スイングアームを外した後は、ピボット周りのフレームを点検します。

 

清掃してクラックなど無いか点検します。J系はリヤのエンジンマウント左側フレーム部にクラックが見つかることがありますが、今回は大丈夫のようです。リペイントしてあるフレームは素性が分かり難いので要注意。

 

高トルクで締め付けるピボット部などは、分厚い塗膜は剥がしておくべきです。厚い塗膜があるまま締め付けると、塗膜が座屈して緩みやすくなるからです。

 

前回残してあった純正イグナイターも撤去します。バッテリーケース前方の狭いところにあるので、外すいい機会です。

 

右側のエンジンハンガーを緩めてイグナイターを外します。

 

イグナイターが外れました。配線の一方は左の電装プレートにまだ繋がっています。

 

エンジンハンガーのボルトは長かったので、適正な長さの短いボルトに交換しておきます。

 

電造プレートのカプラー抑えを外して、イグナイターの配線を外します。

 

外したイグナイターカプラーのメインハーネス側は電源が来ているので、ダミーのカプラーをはめて絶縁しておきます。

 

今回使うビトーR&D製スイングアームはこちら。サス受けトルクロッド受け位置などをセミオーダーしたものです。チェーンケースのステーもレスにしました。

 

サス受けは左右10ミリオフセットでオーダー。160ワイドタイヤに合わせてチェーンラインを5ミリオフセットするので、リヤショックスプリングとチェーンの干渉を避ける目的です。

 

今回リヤブレーキは純正を継続使用するので、トルクロッド受けは純正位置としました。

 

ピボット幅を計測して確認します。J系フレームより2ミリほど狭いようです。

 

そのまま付けるとフレームがすぼんでしまうので、左右両側に1ミリのスペーサーを入れます。

  

これでガタ無くしっかりと付きました。

 

フレームのステップブラケットとのクリアランスは問題無いようです。

 

右側はこんな感じ。

 

リヤショックのフルバンプ長さを想定してスイングアームが干渉しないか確認します。

 

インナーフェンダーとトルクロッド受けが近いので、トルクロッドのボルトなどと干渉するようです。

 

マークのところを切り欠きます。

 

切り欠き、清掃後のインナーフェンダーはこちら。

 

これで干渉無し。

 

サス受けの内幅を確認します。

 

フレームのアッパーサス受け幅を計測します。差は16ミリなので、左右各々8ミリオフセットでできているようです。

 

8ミリのスペーサーを用意します。内側の大きな面取りは必須で、マウントピン根元の大きな隅R(すみあーる)を逃がすためです。カスタム車でこの逃げが考慮されていない車両を多く見ます。機械設計をやっていれば必ず気づく部分です。

  

オーリンズ純正のカラーを重ねます。

 

リヤショックを取り付けます。マウントはピロボールとなっており、外側のスペーサーはマウントピンネジ外径ピッタリのφ12ミリでワンオフしたもの。確実に中のボールジョイントだけを押し付けるように構成します。

  

下側のマウントは、内幅23ミリあり、付属のt1.5ミリスペーサーを左右に入れてあります。

 

これでリヤショックは左右平行となりました。

 

右にあるヘルメットホルダーは、リヤショックの揺動でダイヤルが干渉しそうなので外します。

 

スイングアーム高さがあるので、ロッドエンドの延長を減らして車高を補正します。

 

片方止めて、もう一方のボルトが軽くスコスコ動けば左右長さが合っている状態です。

 

スイングアーム内幅を計測します。

 

リヤホイールを点検します。

 

キャリア内部のカラーの寸法が間違っているようで、ホイールとのクリアランスが3ミリほどありますね。これではキャリアがチェーン張力で傾いて、早期にベアリングやダンパー破損などのトラブルを生じます。

 

このカラーの長さが間違っています。ほかのサイズのホイールの部品と入違ったのでしょうか。

 

厚さを2.5ミリ削り、段付きは同様に再現します。

 

これでクリアランスは0.5ミリの適正値となりました。

 

リヤホイールのアライメントを計測します。これによりホイールセンターが合うように左右のカラーの長さを検討します。

 

リヤローターは純正を使うので、元のホイールから外します。ボルトは全て緩んでいました。ホイールはリペイントされていますが、ローターを締め付け忘れたのでしょうか。

  

ローターボルトは首下が純正と同形状のこちらのステンレス製を使います。6角穴がワンサイズ大きいので舐めにくいです。ソード側のインナーロータは、このボルト形状には対応していません。

 

純正ホイールはこのようにボルト首下の太い部分が入るザグリがあります。

 

ソードのインナーローターにもザグリ加工します。

 

ザグリ加工後はこちら。プレートが薄くてネジ山が確保できないので、φ8ミリで貫通させて裏側ナット固定に変更します。フロントも同様ですね。

 

ボルトを差し込んで締め付け厚さを確認します。

 

ボルトは長すぎるので、10ミリほどカットして使います。

 

アライメント計測の結果、左のカラーは3ミリ足りないことが分かったので、新規に厚いカラーを製作しました。これでホイールセンターが車体中心にきます。 

 

リヤアクスルの方向は左から右に刺す向きに変更します。左利きの作業勝手と、ネジ部の方が強度、精度が悪いことを考慮しての変更です。

  

左からシャフトを差し込みます。

 

ローターとキャリパーサポートのセンターを合わせるため、薄いシムを重ねて微調整します。

 

寸法確認用に各種厚みのシムを用意しておくと便利です。

 

ローターとサポートのセンターが合うようにシムを組み合わせます。

 

この厚さをもとにカラーを製作します。

 

トルクロッドを仮組します。タイヤは160なのでかなり干渉しますね。

 

おおよそこのマークしたところを切り欠いてタイヤの逃げを作ります。

  

ボルトオンとは言え、いろいろ調整が必要になるものです。

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