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Z1000J1 K.T様 クラッチ滑り点検修理

 

天気が回復したのでクラッチ滑りの現状を点検しに行きます。高速でのハンドル振れもあるとのことで、記録用に車載カメラも搭載します。

 

高回転全開走行するので高速道へ入ります。

 

7000rpm位からのクラッチ滑りを確認、ガレージに戻り分解点検します。

 

クラッチ板を外します。

 

クラッチハウジングやハブには特に大きなガタなどの問題はないようです。スプリングもノーマルでした。

 

段付き摩耗も極少な目で良好です。

 

外したクラッチ板はこちら。スチールプレートは若干のまだら模様があり、滑りの痕跡のテンパーカラーも見られます。

 

フリクションプレートの厚さ限度値は2.8ミリです。

  

厚さを計測すると9枚とも2.9ミリ前後で特に問題無し。

 

目立つ異常個所が無い場合も、クラッチ板を新品交換すると大抵は直るものです。通常、1100cc+ハイカムくらいまでなら新しいノーマルクラッチで十分持ちます。

 

カバーのガスケットは社外品のかなり古いものでした。結構固着していて剥がすのが大変です。

 

30分ほどかかってガスケットが剥がれました。

 

最後にオイルストーンで取付面にこびりついたガスケットを剥がします。

 

新しいクラッチ板を組み込みます。

 

スプリングは既存のノーマルを継続使用します。

 

クラッチ板交換終了です。

 

クラッチレリーズの遊びを調整します。

 

2回目のチェック走行です。高速に乗って早々、クラッチレリーズの乗り越えが起きてクラッチが切れっぱなしになってしまいました。再発です。

 

応急処置してガレージに戻ります。クラッチ滑りは解消したようですが、まだ十分にはチェックできていません。

 

スプロケカバーを外します。

 

レリーズ乗り越えの対策として、ストロークを減らすためにロングアームのレリーズを使います。ちなみに純正のレリーズレバーは販売終了となっています。

 

ロングアームのレリーズを組み込みました。

 

再度レリーズの遊びを規定値にします。

 

3回目のチェック走行に向かいます。こんどは問題無いようで、相模湖ICまで来ました。

 

ご指摘のあった高速域でのハンドルブレ、ヨーイングの事と思いますが、若干は確認できました。古いやや変摩耗したタイヤや、路面のわだちの影響もあり、1000Jの実力の範囲内といったところと思われるレベルでした。タイヤを新品交換すると改善すると思われます。

 

チェックを終えガレージに戻ります。リヤショックをピロマウント高級品にグレードアップすることも、ヨーイング対策に効果があるのでお勧めです。このワークスパフォーマンスは、当時新品4万円程度で入手できたのでそれなりの性能の物です。スタイル優先で性能を我慢するか悩むところです。

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