しばらく乗っていなかったらフロントブレーキの握り代が極端に少なくなったとのことで点検します。
現状はレバーの握り代が15ミリほどしかありません。試乗したところブレーキの効き自体は普通のようです。
ブレーキ周りはノーマルのままで、いままで特に分解整備はしていませんでした。
ブレーキの故障探求の前に、エンジンオイル交換をしておきます。
マフラーを集合部から外して左右に振り分けオイルを抜きます。
ドレンボルトの締め付けはトルクレンチで管理します。特に低頭の六角穴タイプは舐めやすいので要注意。締め過ぎは禁物です。
ブレーキに戻ります。レバー付近にはフルード滲みの症状が。漏れたフルードが固まっておりもののようなものが付着しています。液体分は特に無いので、にじみは極わずかのようです。
レバーを分解して清掃します。ピストンはスナップリングがさび付いてなかなか分解困難なようす。
フルードがかなり劣化していたので交換します。
一旦改善したかに見えましたがフロントブレーキが引きずり気味になりました。フロントキャリパーを分解してみると、ピストンが押しても戻らない状態です。
キャリパーのブリーザーを緩めればピストンは戻るので、内圧が逃げない状態のようです。どうやらリザーバータンク内のリターンポートが詰まっているようです。
マスターを外してリターンポートの詰まりを掃除します。
キャリパーも分解点検します。ゴム類は劣化して傷んでいる物も。今のところ機能しますがオーバーホールした方がいいでしょう。
ノーマルマスターはリターンポートを掃除しても内圧が下がらない状態のままでした。おそらくピストンのカップが変形してポートを塞いでいるようです。このままでは帰れないので暫定で手持ちのマスターを取り付けます。フロントブレーキはマスター交換をマストとし、合わせてキャリパー&ローターのグレードアップなども視野に入れて検討していただくことに。部品が揃ったら再度入庫していただきます。