ノーマルリヤショックがオイル漏れし、その修理は可能ながらかなりの高額になることから、費用は高性能なリヤショックへ向けることになりました。3ヶ月まえから予め注文してあった分が今回入荷したので取り付けます。仕様は弊社GREEN GARAGEオリジナルの特注品で、主な狙いは1人乗りに特化したしなやかでトラクションのいい乗り心地を提供するものです。このR3タイプリヤショックは、縮側ダンピングがピストンスピードの高速・定速の2系統に分かれて独立して調整できるため、高速道路の継ぎ目の突き上げ感をかなり緩和することができます。
現在、代わりの代ショックで乗っていただいていました。
元のリヤショックはこんな感じ。両側ともかなりのオイル漏れ状態です。普段リヤショックのオーバーホール作業を依頼しているスクーデリアオクムラさんでは、最近こちらのノーマルショックのオーバーホールも受け付けるようになったとのことでしたが、分解作業が困難なことから費用がかなり高額になるとのことで、今回はナイトロンに変更します。
リヤショックを外します。
ナイトロンR3リヤショックGGスペシャルがこちら。全長はやや長め、バネレートは柔らかめの設定で、1人乗り1Gサグで1/3ストロークさせる感じでフィッティングします。体重のある方の場合はハードスプリングに変更します。上下マウントはスフェリカルジョイント(ピロボール)なので、極わずかなストロークでも減衰力を発生し、フラットな乗り心地になります。
高さ調整のため、奥にスペーサーを入れます。
ショックを取り付けます。φ14ミリの段が少し隠れるようにスペーサーを設定します。ナットの締め付け力がスフェリカルジョイントのカラーに直接かかるように組むことが必須です。
その上に既存のノーマルワッシャーを取り付け、この上にグラブバーが付きます。
右側にある純正のヘルメットロックは、リザーバータンク周りと干渉するので取り外します。
左にあるシートロックですが、取り付け穴の口元が変摩耗してズレて付くようで、ロックの棒がフレーム側の穴に干渉して動きがかなり硬いとのこと。
変摩耗の段付きを削って平らにします。
削った分のスペーサーを入れて組み付けます。
シートロックはスムーズ動作になりました。
スプリングの外径が少し大きくなったので、チェーンケースとわずかに干渉しています。
元々あるスプリングの逃げの前側に干渉しています。
逃げを拡大します。
前側1センチほどカットします。
カットしてつながりの形状を整えます。
切断面を研磨します。
跨っていただきストローク量を確認、1Gで1/3くらい沈むのでOKです。
荒れた峠道なのでフルバンプするようなら、プリロードを少し増やしていく方向に調整します。コーナー進入でのクイック感を増やしたいなら、下側ロッドエンドにある全長調整で全長を伸ばし、リヤを上げていく方向に調整します。