Z1000Mk2 A.H様 ザッパーステム取り付け

  

ザッパーステム取り付けのご依頼です。

 

フロントホイールを外します。

 

ハンドルとメーター周りを釣り上げた状態でフォークを外します。

 

ステムを外します。

 

お持ち込みのザッパーステムと比較します。右がザッパー。

  

外観上の違いはほとんどありませんが、フォークのオフセットを18インチ用に適正化するためによく用います。Mk2はオフセットが60ミリ、ザッパーは50ミリ。オフセットが10ミリ少なくなり、18インチ化した車両のトレールが適正化されます。具体的には、18インチ車のハンドリングがよりニュートラルになり、セルフステアが自然な感じで効くので、コーナーリングが自然な感じにできます。オフセットが45ミリだと少し切れ込むようになるので、18インチはオフセット50ミリが最適だと思います。

 

ベアリングは下側がテーパー化されていたので、同じ形状のテーパーローラーベアリングを圧入し、アウターレースとアッパーベアリングは継続使用します。ベアリングの下には定番のタンクキャップパッキンを流用したダストシールを仕込みます。

 

Mk2のステムカバーはザッパーステムに干渉するので、開口を10ミリほどカットして広げます。

 

加工後はこちら。

 

ザッパーステムを取り付け、フロント周りを復元します。

 

ベアリングの組み合わせがノーマルと異なるせいで、ステムナットとアッパーステムに3ミリほど隙間ができます。

 

そこでミッションに使われるスペーサーを流用します。

 

ステムナットからシャフトのネジ部が少し出ているので、ワッシャーに逃げを作る必要があります。

 

ワッシャー内径の面取りを大きくして逃げを作ります。

 

逃げ加工後はこちら。

 

スペーサーをセットします。

 

ステムボルトを締め付け、ステムベアリングのプリロードを確認します。

 

少しプリロードが強いので、ボルトを一旦緩め、ステムナットを少し戻して調整します。

 

ザッパーステム組み付け後、ハンドルを切るとタンクとフォークが干渉するようになりました。

 

ステム側のストッパーを溶接で増します。

 

これで2ミリほどクリアランスが確保できました。

 

反対側も同様に加工します。

 

こちらもクリアランスOKです。

 

ザッパーステム取り付け完了です。

 

これでコーナーリングがもっと楽しくなるでしょう。