Z1R1 T.K様 エンジンオイル漏れ修理 腰上分解点検 その2

 

腰上分解の続きです。ヘッドを外します。

 

燃焼室は特に破損は無いもよう。カーボンの堆積もごく少量です。サブプラグは結構燃焼室側に突き出ていますね。もう少しリーチを短くしてもいいでしょう。ヘッドは面研してありますね。

 

ボアはφ72ミリでした。排気量は1075ccですね。スリーブも変更されているようです。

 

ヘッドガスケットは銅板製4隅のボルト穴が大きいので、J系用のガスケットのようです。

  

ヘッドガスケットの厚さは約1.1ミリです。

 

オイル通路である4隅のボルト穴はこんな感じ。シールのために塗られた液体ガスケットが内側にはみ出しています。破片がオイルラインに入ると良くないですね。

 

カムチェーントンネル周りはこんな感じ。ノーマル加工のレーシングアイドラーが使われています。Oリングはまだ弾力もあり問題無いようす。

 

テンショナーローラーを外します。

 

シリンダーを外します。

 

シリンダーの厚みは約89.5ミリ、面研はされていますが極わずかのようです。

 

スリーブ外径はφ78ミリありますね。

 

スリーブはシリンダー上面よりわずかに下がっています。

 

ハイコンプのピストンはこんな感じ。

 

リングはこんな感じでベタ当たりしています。

 

ピストンの裏側はこんな感じ。鍛造ピストンですね。

 

ピストン側面に大きなスカッフなどはありませんが、腐食の痕があります。組んでから長期保管の時期があったのでしょうか。

 

拡大するとこんな感じ。

 

腰下は分解しない予定なので、ケース上面のゴミを掃除機で吸い取ります。

 

清掃後はこちら。

  

ケース側も内径拡大ボーリングされているようです。

 

下側のカムチェーンローラーはこんな感じでやや摩耗。

 

ヘッドを点検します。特に問題無ければ分解無しでいきます。

 

カムチェーントンネルには大きく削れた痕があります。過去にカムスプロケボルトが緩んで付けたキズでしょうか。傷は滑らかに修正されているので、問題無いと判断して組んであったようです。

  

総合すると、結構いじられたエンジンであり、過去にもっとハイカムの時代があり、カムトラブルののちに修復されて今に至るようです。オイル漏れはタコメーターギヤの部分から流れてきたものかもしれません。Oリング周辺も異常はりませんでした。現状はこのまま復元して問題無いでしょう。