オイル漏れ修理の前に、錆びだらけのバッテリーケースは、洗浄してから塗装します。

洗浄油代わりの灯油で洗い、その後水洗いし、エアブロー、シンナーで脱脂して塗装します。

オイル漏れ修理の前にもう一仕事。クランクケース上面の汚れを洗浄します。

劣化しているキャブホルダーを外します。インテークはポート研磨してありますね。

ケース上の汚れはこんな感じ。これはヘッドから伝ってきたオイルではないようで、オイルクーラー取出しあたりから滲んだものでしょう。

エンジン下にトレーを敷いて、洗浄油とブラシで掃除します。

一通りきれいになりました。

ヘッドカバーネジのトルクを確認します。

×印はトルク抜けしているところです。主に端のカムプラグの部分ですね。漏れている個所と一致します。


カムプラグ部のボルトは本来長いのですが、このエンジンはみんな短いボルトでした。これでは上の数山しかネジがかからないので、ネジがなめているのも仕方ありません。

ヘッドカバーを外します。

カムプラグのところはかなり液体ガスケットが盛られていますね。

左後ろのカムプラグを外したら、ネジ穴のところに大きなクラックがありました。

幸い、欠けていたのは上の方の一部で、下半分以上は残っていました。

よく観察するためにガスケットを剥がしてきれいにします。

欠け部分の現状はこんな感じ。短いネジ締めたので、上だけ持っていかれた感じです。

いろいろ修理方法を検討した結果、とりあえずヘリサート加工をしてみることに。先ずは下穴を開けます。

割れずにうまく6ミリの穴が開きました。

入り口が斜めになっているので、ヘッドカバーをガイドにしてヘリサートタップを立てます。

こちらも割れずにうまくネジ切りできたようです。

ヘリサート用のネジを切った状態です。かろうじて繋がっています。

有効ネジは6山ほど確保できそうです。ヘリサートもそれに合わせてカットし長さを調整します。

長さを調整したヘリサートを挿入します。

上下ピッタリの長さでセットできました。トングを折り取ります。

雌ネジは約6山確保できました。

他のカムプラグ部分も全部ヘリサート加工します。こちらはスコヤで垂直を見ながらタップを立てます。

ヘリサートを挿入します。こちらは2Dの長いヘリサートが入ります。割れていない場合のこの作業は良く行います。

下から見るとこんな感じ。ヘリサートは下側ギリギリまであるのがわかります。

ヘッドカバーをセットし、貫通する長いボルトで締め付けてみます。

欠けた部分以外は正規のトルクがかかるようになりました。欠けていた部分はネジ山が少ないので、トルクを80%くらいに落として締めることに。なんとか大修理は免れそうです。
