Z1000J1 A.T様 分解点検とお見積もり

 

転倒での破損ヶ所の修理とエンジンからのオイル漏れ修理、その他メインハーネスの更新などのご依頼です。前後S1ローターと鉄S1スイングアームなどは2016年に弊社で取付を行った車両です。

 

転倒は主に右前側にダメージが多いようです。ヘッドライトレンズが割れ、ウインカー、ライトステー、タコメーターなども破損しています。フォークが曲がっているかもしれません。ブレーキローターは引っかかりがあるので曲がっているもよう。

 

フォークはオイル漏れしているとのことで、こちらはオーバーホールして曲がりも点検します。

 

エンジンのオイル漏れはカムプラグのところからのようです。J系エンジンでは良く起きる症状です。

 

反対側も同様にオイル漏れしています。これはヘッドカバーを外してカムプラグを交換すれば普通は直ります。ですが数年もてばいいほうでしょう。

 

割れたヘッドライトを分解します。内リムが分解できるタイプでした。レンズ単体で交換できそうです。内リムは曲がり修正で再使用し、外リムは曲がりと削れがあるので交換します。

 

レンズは手持ちのZ1300純正新品を使用、外リムも手持ちのZ1000R純正を使って組み立てました。なかなか貴重な組み合わせです。

 

ケースは結構バラバラに割れているので交換ですね。これもリプレイス品が無いので、きれいな中古品を探すのはなかなか困難です。ちなみに弊社のFRP製は販売終了しました。

 

メインハーネスを外すので、オイルクーラーコアを一旦外します。スポンジがやせてグラグラするのでここもレストアします。

 

ヘッドカバー周りをいじるのでキャブも外します。

 

下側はかなりガソリンで汚れていますね。特に漏れてはいないようなので、これは外観洗浄だけで良さそうです。

 

シフトリンケージにガタがあります。2速が入りにくいとのことでした。

 

ここのロッドエンド取り付けが緩んでいました。こういったガタでもシフトミスの原因となりえます。

 

スプロケカバーを外します。ジェネレーター配線のギボシは焦げて固着しています。これはよくある現象です。ハーネスを切って外し、ギボシは新品交換します。

 

こちらはレギュレーター直近のカプラーです。こちらも接触抵抗で発熱し溶けてくっついてしまっています。これも切って外します。

 

メインハーネスが外れました。新車時からのもののようで、あちこちかなり傷んでおり、改造も多数ありました。40年使ったので今回交換して正解です。

 

改造箇所のひとつ。左ハンドルスイッチとの接続は複雑になっています。

 

バッテリーケースも外します。下と横に合計3個の純正ユニットが付いています。

 

レギュレーターを外したいのですが、ボルトが固着して外れません。CRCを塗ってしばらく待ちます。

 

レギュレーターハーネスのカプラーです。

 

溶けてくっついています。よく見ると黒いアース線は切れていました。これでは発電しませんね。レギュレータごと交換します。

 

バッテリーケースはサビが酷いので塗装しておきます。

 

スターターリレーもこの際交換したいところです。ケーブルのブーツもボロボロです。

 

左のハンドルスイッチのハーネスは改造だらけ。ハンドルスイッチごと更新します。

 

スロットルケーブルも素線が切れていたので交換します。

 

大径のキャブホルダーが付いています。

 

4個とも大きなクラックが多数ありました。こちらも交換します。

 

カムチェーンテンショナーは固定タイプになっています。キャブとの干渉が無ければオートタイプの方がメンテナンス不要で便利です。

 

キャリパーを外してフロントホイールを回してみます。

 

左のローターは振れが目視できます。修正で直るか、交換が必要か、のちほど判定します。

 

フレーム周りの汚れが酷いので、CRCを全体にかけて湿らせ、汚れを浮かせてから掃除します。

  

この際フルレストアできるといいのですが、なかなか費用が掛かるものです。