10年以上前に入手したこちらのD1、過去の整備履歴が不明なので、この機会にエンジン腰上をオーバーホールします。完成したら今年の夏はこのD1で北海道ツーリングに行く予定だそうです。

エンジン分解前に試乗します。現状は調子がいいとのこと、実際に何も問題が無い現役車両ですね。外観もいい感じにヤレた未再生原形車のようです。

エンジンはあちこちからオイル漏れがあります。

マフラーを外します。

キャブを外します。

ヘッドカバーを外します。カムはノーマルですね。非常にキレイに当たりが付いています。

カムホルダーネジのトルクをチェックします。全て正常です。

ついでにシリンダーヘッドのM6ネジのトルクもチェックします。こちらはやや締まりました。

バルブクリアランスを計測します。やや広いところ、ややせまいところ、いろいろあります。

カムを外します。ジャーナル部分もきれいですね。

点火系はウオタニが入っていますが、ノーマルのコイル用抵抗が付いています。ヘッドを外す時に干渉するので外します。

ウオタニコイルであればこの抵抗は不要でしょう。回路は短絡しておきます。

ヘッドを外します。ヘッドガスケットはノーマルですね。

燃焼室のカーボン堆積もそれほど多くは無いですね。

ピストンもノーマルのφ64ミリです。

カムチェーンローラー類も、ダンパーラバーの剥離など無く良好です。

テンショナーローラーは結構摩耗しています。

シリンダーを外します。

シリンダー内壁は錆びも無く、スカッフは極わずか。

カムチェーンガイドは摩耗していますね。ネジも緩かったです。

トップのピストンリングを見ると、上半分がまだ当たりが付いていません。走行距離はメーター読みで27000キロ余り、これは実走行だと思います。

シリンダーを抜いた後に残るゴミを掃除機で吸い取ります。

エンジンの状態はいいようなので、腰下の分解はまだ先でいいでしょう。

ピストンを外します。

ピストンのカーボンも年式の割に少ないですね。このまま継続使用で行きます。

ヘッドの分解点検はまだですが、状態がいいのではないでしょうか。

先にクランクケース上面のガスケットを剥がします。

40年以上経ったエンジンにしては、ガスケットの張り付きは少ない方です。それでも結構固着していますが。

邪魔なシリンダースタッドがあり、ゴミを内部に落とさないようにやるのはなかなか大変な作業です。道具は主にセラミックのスクレッパーと小回りの利くノコ歯改造自作スクレッパーで行います。

ガスケットは約2時間ほどで剥がせました。仕上げにオイルストーンもかけてあります。

傷を付けない固着ガスケット剥がしは、なかなか時間がかかります。
