エンジンの塗装が完成しました。今回の塗装は北海道旭川のエアーペイントタカノさんによるガンコート仕上げです。エンジンの色は一見単純な黒ですが、できるだけ純正っぽく仕上げていただくため、事前の色見本を使っての打ち合わせ経て、色味と艶の具合にこだわっていただきました。マスキングもできるだけ純正と同じようにしていただきました。
シリンダーやヘッドなど、その他の部品は順次お見せします。
クランクケースのアップです。この薄い塗膜と微妙な半艶感、かなりいい感じに仕上がっています。
組付け前に全部のネジ穴をタップでさらい、内部に残っている異物を取り除きます。特にサンドブラストのメディアは要注意。一粒でも残っているとボルトのネジがかじって締められなくなることもあるので念入りに行います。特にこのような奥まった場所は、万が一ネジ穴を修正することになった場合、非常に苦労するところです。最悪、ケースをダメにしてしまうこともあるほどです。
分解時にネジ山の状態は概ね大丈夫であると把握していましたが、このネジ穴のように内部に液体ガスケットが詰まっている場所もあります。タップを立てればきれいに取り除くことができます。
スプロケカバーのネジ穴、ここも要注意。スターター取り付けネジの穴も同様です。
全ネジ穴を修正したら洗浄してやっと組み立てが始まります。先ずはシリンダースタッドを取り付けます。
クランクは特に問題無いので継続使用します。振れは0.02ミリで極小です。
コンロッド小端部に通した点検棒は貫通しませんが、極わずかなので問題無いでしょう。
ズレの量は4本目のコンロッドで1ミリほど。J系のクランクではよくあるレベルです。
カムチェーンを掛けてクランクをアッパーケースに取り付けます。
ダンパースプリングがヘタッていたのでクラッチハウジングリビルドしました。
スプリング6本と内側のプレートが新品交換されています。
外したスプリングとプレートがこちら。スプリングは短くなって遊びがあり、いたるところ削れています。プレートもかなり摩耗していますね。
ベアリングを新品交換し、リビルドしたクラッチハウジングを使って組み立てます。
インプットシャフトASSYを組み込みます。
続いてアウトプットシャフト側です。こちらはシャフトを交換します。
既存のシャフトはスプロケット側スプラインがかなり摩耗していたことがわかってました。過去にナットが緩んだまま走行していたものと思われます。Mk2の純正アウトプットシャフトは、今となっては大変希少で入手困難です。
そこでドリームクラフト製のZ1用ロングアウトプットシャフトを使用することに。下側がそのシャフトで、スプロケット側のみ10ミリ長くなっています。因みに純正仕様は製作していないようです。
今回の車両、フロントスプロケは5ミリオフセットして使っていたので、ロングシャフトの場合は5ミリオフセットスプロケを裏返しにして使います。
カラーも専用のロングタイプになっています。左側の純正はOリング用に内側の面取りが大きく付いていますが、ロングの方は面取りが小さいのでOリングが使えません。
ノーマルのカラーは隙間ばめですが、ロングのカラーは弱圧入でした。
アウトプットシャフトも組込み、これで3軸整いました。キックシャフトは省略します。