エンジンの塗装が完成し、シリンダーボーリングも済んだので組み立ての準備をします。下の画像はオーナーさん自らレストアを初め、その途中で持ち込まれた時の様子です。
エンジンを下ろして分解するも、あまり程度のいい物ではありませんでした。
そこでオーナーさんが別のエンジンをお持ち込み。こちらは分解点検の結果、外観に寄らず非常に程度のいいエンジンでした。
分解点検・洗浄後がこちら。他にもお手持ちの選りすぐりの部品を集め、これを塗装に出しました。
塗装後はこちら。セラコートで塗装しています。
カバー類はこんな感じです。
シリンダーは塗装後、新しいφ74ミリピスタルピストンに合わせてボアアップしました。
塗装の準備は、先ずネジ穴の掃除から。全てのネジ穴内部に異物が無いか点検し、エアブローします。
行き止まりの細いネジ穴はエアブローだけではなかなかきれいになりません。特にスターターモーターの取り付けネジ穴など、奥まったところは塗装屋さんの洗浄だけではブラストのメディアが残りがちです。
今回もここにはメディアが残っていました。一粒でも残すとネジのカジリの原因となります。
洗浄スプレーとエアブローを繰り返し、メディアを取り除きます。
その後タップを立ててネジ山をさらっておきます。
タップ立ては全てのネジ山を対象に行います。総数は100個くらいあります。
クランクケースアッパーの清掃が終わったので、新品のシリンダースタッドを取り付けます。
スタッドねじ込み工具を使ってねじ込みます。
新品スタッドが付いて、アッパーケースは組み立て準備完了です。
クランクも再度計測します。振れは0.03ミリでOKです。
点検棒もスルリと通る芯の合ったクランクです。
クランクをアッパーケースにセットします。
この後ロアーケースも同様にネジ穴の点検をします。特にミッションカバーのこの辺りのネジ穴は、奥まっているのでトラブルと修復が困難です。異物を残さないよう入念に点検します。