リヤショックアッパーマウントのスペーサーのフレーム側は、大きめの面取りをしてマウントピン根元のスミRの逃げとします。
外側のワッシャーは内径12ミリピッタリのものを作り、肉の薄いカラーを確実に固定できるようにします。
ところがアッパーマウントを締め付けると、ロアーマウントはかなりズレていることがわかります。もともとZRX400スイングアームのリヤショック受けのスパンは、J系に対してかなり広いので、アッパーマウントを10ミリくらい出しただけでは届かないものです。ピロボールマウントのリヤショックにするか、ロアーマウントのブラケットを内側に付け直すしかありません。
今回は予算がないので、アッパーマウントを少し緩めることで対応します。ナットは脱落しないようセルフロックを使います。
右側のズレは左より少ないですがこのくらいあります。こちらもアッパーマウントの方で何とかします。
ちなみにこのレバーはプリロード調整をするためのもので、本来は白いバネの上側に付くものです。
エキセントリックのクランプはかなり高トルクで締まっています。あまり締め過ぎるとクラックが入るので要注意。ここも規定トルク遵守で。
作業性を考え、左右のエキセンを入れ替えます。
右側にアクスルシャフトのナット側を配置します。
アクスルシャフトの締め付け前に、エキセンは左右同じ位相にセットします。
アクスルシャフトを規定トルクで締め付けます。
リヤのキャリパーサポートをフローティング式に改造したので、今度はチェーンの張り調整が楽にできるでしょう。
トルクロッドの必要長さを測ります。
トルクロッドを製作します。
トルクロッドを取り付けます。
リヤブレーキホースを製作します。
製作後はこんな感じ。
ホースを取り付けます。エア抜きは後で。
リヤキャリパーのブリーザーは内側に付けたいところですが、ノーマルホイールと干渉するので付けられません。この構成だとエア抜きはブラインドプラグで行うためかなり手間のかかる作業となるでしょう。
次に削れて破損しているミッションカバーを交換します。
現状はこんな感じ。オフセットの無いフラットなスプロケを使用したため、チェーンでカバーがかなり削れています。
ビスはショックドライバーで外します。
頭の削れたビスは、タガネでたたいて緩めます。
ミッションカバーが外れました。
アウトプットシャフトのオイルシールはリップがめくれて入っていました。
リップを押さえるスプリングは内部に脱落していました。完全な整備不良ですね。
ガスケットを剥がして取り付け面をきれいにします。このように奥まったところは、鋸刃で作った手製の小型スクレッパーを使うと便利です。
新品のミッションカバーにオイルシールを圧入します。
アウトプットシャフトのオイルシールは、このように面取りの奥まで入れるのが正解です。
裏から見ると面一になります。
ミッションカバーを取り付けます。
オイルシールとシャフトのカラーとの位置関係はこんな感じ。
フロントスプロケはJ系用に変更します。
チェーンラインはノーマルです。ノーマルはツバがエンジン側に来るので5ミリほどオフセットするような位置関係になりますが、これがノーマルチェーンラインです。
上から見るとこんな感じ。
スプロケの固定部品はこんな構成です。厚い平ワッシャーはエンジン側に入ります。
一旦切断したチェーンは古いタイプだったので今ではジョイントが入手できない物でした。なのでチェーンは新品交換することに。合わせてリヤスプロケも交換します。