1月の車検のご依頼の際、まだ右肩が動かなかったので整備が満足にできず、ユーザー車検に同行して立ち会う形で車検を受けていただきました。今回はその際の残りの整備と、合わせてチェーンガイドローラーを取り付けます。
先ずはチェーンガイドローラー。現状はチェーンがスイングアームのトラス補強部分に干渉し易いので透明なビニールホースで干渉対策してあります。そこで私のレーサーを使って開発したこちらの形のガイドローラーを取り付けます。今回はワークスS1ステップ一体型です。
取り付けるとこんな感じ。市販のものはセンタースタンドブラケットに付けるタイプが多いですが、車両製作時にセンスタブラケットは削除していたのでこのような構成になります。これでフレームとスイングアームへの干渉は防止できます。
続いてシート右後方がストッパーから外れやすいという件の対策です。現状は、きちんとシートをはめても持ち上げると右側だけは外れてしまうようになりました。
フレーム側は特に異常が無いので、シート側のストッパーアームを少し後ろ側に曲げてみます。
これで右側は常に後ろ側にテンションがかかっているので外れにくくなりました。
続いて全体点検です。こちらの車両は2015年にコンプリートで製作・販売した車両です。最近2年ほどはまとまった点検をしていないので、この機会に点検します。
各部の電装系の収まりを点検します。その他、緩みや破損が無いか点検します。
スプロケカバー内も点検します。
ステーターコイルのギボシは良く焦げたりしますが、こちらは問題ありませんでした。
カバー内側を洗浄後、グリスアップして組み付けます。
サイドスタンドを跳ね上げると、先ほど取り付けたチェーンガイドローラーのブラケットに当たるので修正します。
サイドスタンドの根元部分に溶接盛りします。
これでクリアランスが確保できました。バンク角も問題ありません。
ブレーキフルードを交換します。
AP2ポッドキャリパーは、一旦外してスペーサーを挟んだ状態でフルード交換・エア抜きします。
交換後はこちら。
リヤも同様にフルード交換します。
次にエンジンオイルとフィルター交換です。マフラーを外して行います。こちらのマフラーはPMC製を改造したものです。
エンジンオイルを抜き、フィルターを外します。
フィルター下のワッシャーをなくされたそうで、新しく入れておきます。
ドレンボルトなど締め付け時はトルク管理します。
クラッチレバーの遊びがほとんどないので調整します。クラッチ板の摩耗により、走行距離が延びると遊びは減少してくるものなので、定期調整箇所です。
サービスマニュアルに従い、レバーアジャスターを調整、ケーブル中間アジャスターを緩め、レリーズレバーの遊びを規定値にします。その後中間アジャスターで規定のレバー遊び代に調整します。
フォークのエアーも抜けていたので補充します。標準は左右とも0.5kg/cm2です。
大きな問題は無く、いいコンディションに保たれていました。