Z1000S1 I.T様 ヘッドを外してボア×ストローク計測 カム山カジリ有り

 

クランクケースに刻印が無いエンジンなので、中古新規登録の際に排気量を証明するため、ヘッドを外してボア×ストロークを計測します。

 

ヘッドカバーを外し、バルブクリアランスを計測。やや狭いところがいくつかありますね。

 

S1カムのカム山は、吸排とも全部カジリがありますね。

 

ヘッドとシリンダーを止めるボルトはスタッドではなくボルトで止まっています。なぜか全ヵ所ワッシャーが2枚ずつ入っていますね。

 

ヘッドを外します。

 

ヘッドガスケットは上下逆に付いていました。

 

こんな感じの画像を撮り、提出書類のボア×ストロークの数値が現車の物であることを証明しなくてはいけません。因みにボア×ストロークはノーマルのφ69.4×66ミリです。

 

サイド4本のボルト穴はオイル通路兼用となっているため、ボルトを抜くとクランクケースのネジ穴にオイルが溜まります。組立時にオイルロックしないよう抜いておきます。

 

ヘッドデッキ面にはスタッドボルト根元の部分で段付きがあります。1ミリほど面研されているようです。

 

端の方には巣が残っていますが、シール部分にはかからないのでこのままでも大丈夫でしょう。

 

ヘッドガスケットは同じように純正を使うことにします。裏表の違いはボアにある金属グロメットの形状で見分けます。左の楕円形状はヘッド側に、右の細い同心円形状はシリンダー側にして組み付けます。

 

こうなるのが正解です。

 

外したシリンダーボルトはこちら。

 

ワッシャーが全てのヶ所で2枚重ねにしてあったので、ボルトが底付きするのかもしれません。ワッシャー無しでボルトをねじ込んでみると、全てのヶ所であとわずかのところで底付きしていることが分かりました。

 

ワッシャーは1枚で組みたいので、全てのボルトを2ミリずつ短縮します。

 

短縮加工後はこちら。

 

ヘッドを組み付けます。

 

外したリフターがこちら。全ヵ所摩耗しています。原因はいろいろ考えられると思いますが、このリフターはもう全部使用不可です。

  

リフターは現行品の純正新品に交換します。

 

リフターを組み込みます。

 

テンショナーはリターンスプリングが強化品で密着長が長いためうまく組み込めません。代わりに純正のリターンスプリングに交換して組み付けます。

 

カジリのあるカムは替わりが無いので継続使用します。カジリが新しいリフターを攻撃するので、今後は定期的に分解点検した方がいいでしょう。摩耗が進むようだったらカム交換です。

 

バルブクリアランスを調整するため、カムを外してシム交換します。

 

エンジンを復元します。これで登録の準備は整いました。