ある時からイグニッションスイッチを切っても電源が落ちず、ヒューズが飛んだり電装系の不具合が続き、ご自分では手に負えなくなったとのことで急遽メインハーネスを交換することになりました。原因究明するには相当時間がかかりそうなので、1日で済むように初めからメインハーネス交換で解決します。
左側は事前に加工して用意しておいたR2純正ハーネス、右のお持ち込み純正R2ハーネスは下取ります。
メインハーネスを外していく過程で、ヒューズBOX周りのご接続を発見。IGスイッチを切っても電源が落ちない理由はこれでした。続いてステップを外してサイドスタンド横にあるスターターロックアウトスイッチを外します。
ハーネスがフレームとチェーンの間を通っていますね。おそらく配線が傷ついているでしょう。
案の定、被覆が向けて芯線が見えていました。ヒューズ切れの原因はここでショートしていたせいでしょうか。
ジェネレーターコイルからの配線にあるギボシは溶着しています。これはよくある症状です。
メインハーネスが外れました。数ヵ所誤接続はありましたが、それ以外に目立った破損などはありませんでした。ですが40年前のハーネスなので、交換のいい機会になったと思います。
新しいメインハーネスはZ1000-R2用を丸メーター用に改造したものです。合わせて前半をスリム化してあり、フレームとタンクの間を通すレイアウトに変更します。
白い6ピンカプラーの方、レギュレーターも交換されていましたが、サブハーネスが逆に付いていました。正しくは爪がある方がレギュレーター側です。
レギュレーターはバッテリーケース下に付いており、左側に向けてハーネスが出ています。チェーンケースに当たってかなり窮屈そう。
チェーンケースを外してみると、既にチェーンケースと干渉して被覆がつぶれていました。これは位置を変えることにします。
点火はウオタニが付いているので、純正のイグナイターに繋がる子のカプラーは余ります。電源が来ているのでダミーのメスカプラーを繋いで絶縁しておきます。
先ほどのジェネレーターハーネスのギボシは切断して新品交換します。
ギボシ交換後はこちら。
新しいメインハーネスを艤装していきます。
ハンドルスイッチとの接続は、必要に応じて現車合わせで改造します。
今回はメインハーネス側に合わせました。今後ハンドルスイッチを交換する際は、Z1000-R2用を使えばカプラーオンになるでしょう。
イグニッションスイッチのカプラーもR2とは端子配列や回路が異なります。こちらはメインハーネス側を改造して合わせたので、イグニッションスイッチはJ1用ならそのまま交換できます。
配線後、電源を繋いで動作確認します。ブレーキランプは2個とも玉切れしていたので交換します。
ヘッドライトバルブも切れていたので交換します。
配線の悪いところは全て修正したので、動作は全て正常になりました。本日分の作業は約5時間で終了しました。