デモ車Z1000J#21 1200ccエンジンリビルド

 

前回5月のTOT予選でブローしたエンジンは、ようやく部品が揃ったのでリビルドします。こちらは予選のあと、リタイヤ届を出してから分解して状況を確認しているところです。

 

3番のエキゾーストバルブが疲労で折れたのが発端で、ピストン、シリンダー、ヘッドを大破しました。

 

こちらは修理後のシリンダーです。1年前にイノウエボーリングのアルミシリンダー「ICBM」でφ76ミリにしていたのですが、他の3気筒はいたって状態がいいので、ブローした3番シリンダーのみ同じアルミスリーブで交換しました。シリンダー上下面は再面研しています。

 

アルミ製のスリーブは中間ばめということで、比較的スムーズに脱着できるそうです。シリンダーと同じアルミ製スリーブなので、熱膨張が同じで圧入代がいらないとのこと。内面はメッキ後、プラトーホーニングしてあるので、ほとんど慣らしは不要です。

 

ピストンは全数同仕様のピスタルφ76ミリの新品に交換します。

 

ヘッドは手持ちにちょうどいいものが無かったので、知人から好意でお借りしたこちらを使用します。

 

程度のいい中古ヘッドをツインプラグ化してサンドブラストしてあります。シートカットはされておらず、当たり幅もあまり広がっていない低走行距離のもののようです。

 

ブローしたエンジン腰下を分解します。

 

コンロッドも曲がっているのでクランクも要交換です。

 

クランクは手持ちの中から選びます。

 

もうあまりいいものが残っていないので、そのなかでもましなものを選びます。

 

点検棒は通りませんが、J系エンジンの普通なレベルなのでこれで良しとしましょう。

 

オイルパン内には大量の金属粉が堆積しています。

 

エンジンは全分解し、くまなく洗浄します。ギヤ類に特に大きなダメージは無いようです。

 

ハイプレッシャータイプのオイルポンプも分解洗浄します。

 

トロコイドポンプのローターは、異物を噛み込んだ痕が多数みられますが、もともと高流量なので少し落ちても特に問題無いでしょう。

 

ハウジングの方はきれいですね。

 

クランクのみ交換してリビルドしたエンジン腰下を車載します。

 

4ヵ月ぶりのエンジン搭載です。

 

ピストンとシリンダーを組み込みます。

 

メタルのヘッドガスケットは再使用です。

 

ヘッドのバルブ周りは純正新品を使用。

 

ヘッドとカムを組み、バルブタイミングを調整します。

 

マフラーもこの機会に更新します。今回も手持ちのPMCメガホンを使用。

 

現車合わせで三角ステーを溶接します。

 

バッフルはレースの音量規制を考慮してミディアムを使用します。

 

エンジン始動チェックして完成です。今週の筑波走行でシェイクダウンします。

 

ツインプラグの点火系は手持ちがないので、サブプラグは配線していません。