エンジンオーバーホールと塗装のご依頼です。車両はこの状態で最近入手されたとのとこ。外装はリペイント済みで一見するときれいな車両に見えます。

エンジンはサビの上からリペイントされた感じで、そこから更に塗装が剥がれてきている感じ。フレームはきれいですね。

ヨーロッパ仕様なので、サイドスタンドは2段階式タイプ。こちらは使いにくいので、通常のタイプに改造する予定。

外装を外します。

ノーマルキャブを外します。

1番のピストンバルブは全開にならずに引っかかりますね。分解点検の際にチェックします。

エンジン補器類を外します。

ノーマルコイルはクラックなど無いので大丈夫そうです。

バッテリーは極性が逆の物が付いていました。こちらは交換します。

メインハーネスは新しいので交換されていますね。

オイルクーラーのノーマルホースです。

例にもれず、こちらもクラックがあります。オイル漏れはなかなかしない物ですが、交換するにも新品はありません。

エンジンはまるごと上から塗装されています。元の状態はかなり錆びていたようなので、ボルト類はトルクチャックしながら外します。

ヘッドカバーを外します。エンジン内部はきれいですね。

パルシングコイル周りです。錆びの具合からして車両全体のコンディションの悪さが伺えます。屋外長期保管車でしょう。

スパークプラグを外してレンチでクランキングします。だいぶバックラッシュが大きいので、カムチェーンテンショナーが戻ってしまうようです。テンショナーは要交換です。

バルブクリアランスを計測します。狭いところが多く、4番エキゾーストはクリアランスゼロでした。まともに走れなかったと思います。

カムホルダーネジのトルクを確認します。こちらは問題無いようです。

カムを外します。

ヘッドを外します。ダウエルピンのサビが酷く、固着してなかなか外れませんでした。ヘッドガスケットもノーマルで、ここまで全て改造歴は無いようです。

ヘッドも破損個所は無いようです。

燃焼室はこんな感じ。カーボンの堆積はそれほど多くはありません。

シリンダーを外します。


シリンダー内はスカッフも無くきれいです。

ピストンも過走行という感じではないですね。

ボアはノーマルのφ69.4ミリです。
