フレーム加工の続きです。
サイドスタンドは脱着式にするので、ノーマルのブラケットは削除します。
作業し易いよう、シフトシャフトを取り外します。
上下の溶接部分を削り、ブラケットを剥がします。
フレームの錆びは比較的少ないですね。程度のいいフレームです。
切断面を滑らかに研磨します。
脱着式サイドスタンドボス用の穴を開けます。取付位置はノーマルより少し前方へ。
フレーム内部を清掃します。
フレームパイプ内もサビは少なく、非常にいい状態です。
サイドスタンド用のボスはこちら。
ボスを差し込みます。
脱着式サイドスタンドを治具にして、ボスを仮止めします。
スタンドを外してボスを全周溶接します。裏側の溶接はエンジンを下ろしてから行います。
前方への振出角度が浅いので、ストッパー部を少し削ります。フルバンク時に接地する先端も少しカットしておきます。
スタンドがこれくらい前方に向いていれば、より安定するでしょう。
傾きもちょうどいい感じです。
続いて腰上を分解しながらエンジンを下ろします。
ヘッドカバーを外します。カムはヨシムラST-L1とのことです。
左前のヘッドカバー雌ネジは、ヘリサート修理がうまくいかずに割れてしまったとのこと。これは溶接で盛って成形する予定。
バルブタイミングを確認します。先ずは1番上死点に合わせます。カムの位置が少しズレていますね。
エキゾースト側のタイミングマークは1コマ分下にあります。
真横から見るとこんな感じ。
エキゾースト側のマークは44コマ後で位相はいいですが同じように1コマ進んだ状態です。
バルブクリアランスを計測します。概ねヨシムラカムの規定値です。
カムホルダーの締め付けトルクを確認します。今のところトルクは掛かりますが、何カ所かネジに違和感があります。ネジ山が上がりかけているのか、ヘリサート修理がうまくできていないのか、そんな感じがします。
カムチェーンはバックラッシュが大きいので、このS1テンショナーは少し戻っているようです。分解点検しておきましょう。
カムホルダーを外します。
全体的にカムメタルの傷が多いですが、特に3番ホルダーはかなり摩耗しています。
カムジャーナルに問題がある感じではないですね。
カムを外します。
同じく3番はカムメタルが激しく摩耗しています。異物ではないようなので、カムジャーナル径などの点検も必要ですね。
ヘッドを外します。ヘッドガスケットは左右一体式でした。
燃焼室は比較的きれいです。カーボンの堆積も少な目。
Oリングを使わないタイプですが、オイル漏れは無かったですね。
ボアはφ72ミリです。
1番インテーク側のバルブリセスにスタンプがあります。やはりバルタイのズレは意図したものではなく組み間違いでしょうか。
4番ピストンにもバルブスタンプがあります。
1000ccシリンダーでボアがφ72ミリなので、スリーブの肉厚は安全圏の2ミリを下回る1.7ミリです。
ピストンはスカッフも少なく、リングの摩耗も少な目です。
軽くなったところでエンジンを下ろします。
前側のエンジンマウントは純正のラバーから樹脂に変更されていました。ここはノーマルのラバーダンパーがベストと考えます。組む時はノーマルに戻します。
続いてワークスオイルクーラーのブラケットを製作します。アンダーはアルミ板を溶接で組み立てます。
ダミーのコアを挟んで上下ブラケットを結合します。
トップブリッジはR1用に変更します。ハンドルロックストッパーの位置が変わるので、既存のストッパーは削除します。
削除後はこちら。下側のストッパー削除は後程。
ハンドルを切るとステムとコアが当たるので、クリアランスを最少にした状態で、S1タイプのハンドルストッパーの長さを決めて溶接します。
ノーマルより切れ角が少なくなります。差はこのくらい。
S1タイプのハンドルストッパーに合わせ、ハンドルロックのストッパーも溶接します。