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Z1000Mk2 M.H様 メインヒューズ切れの不具合

エンジンが組み上がったので試運転に行きます。

 

バルブリフターを全部新品に交換したので、先ずは慣らしします。

 

相模湖まで来ました。慣らしはこのぐらいでいいでしょう。

復路でスロットル全開の高回転まで確認します。

 

全域スムーズにパワーが出るので、不具合は解消したといえるでしょう。

今回の原因は、バルブクリアランスが少なくなり、一部はバルブが閉まっていない状態までになったのが原因でした。

 

帰りのガレージ直前でまさかの全電源喪失です。

メインヒューズをみてみます。

 

ヒューズは切れていました。ヘッドライトを点けたときのメインヒューズ切れの不具合は解消していなかったようです。

 

スペアヒューズで何とかガレージに到着。電気系統を点検します。

 

実は、チェック走行で気が付きましたが、ライトスイッチをポジション以上にするとタコメーターが止まる現象も起きていました。

タコメーターの電源周りをみますが異常ありません。

 

初め12V以上あった電圧が、ポジションONにすると9V以下に下がります。

エンジンは止まりませんが、デジタルのタコメーターは電圧が足りずにフリーズするようです。

 

配線図を参考に、原因箇所を推理して探します。

 

ヘッドライトONにすると右のハンドルスイッチ行のカプラーが異常に熱を持ちます。

 

カバーを剥がすと、カプラーは溶けていました。

 

切断してカプラーを新品交換します。

 

ハーネスの改造により、照明とテールランプ系統が統一されているので、テール周りも点検します。

 

フレームエンドパネルの穴を通るハーネスは、被覆が剥がれていました。

 

こちらも修理して確実に絶縁します。

 

それでも直らないので他を点検。右のハンドルスイッチを分解点検しますが異常無し。

 

急速に電気を使い果たしたのか、バッテリー電圧は8Vまで下がってしまいました。バッテリーを交換します。

 

イグニッションスイッチからの茶色の線も高温になるので点検します。

 

不審なテーピングを剥がすと、内部の導線は腐食してかなり切れています。

 

イグニッションスイッチはまだ新品が出るので交換します。

 

次に電源をいれながら点検すると、スピードメーターケーブルのこのネジが熱くなっています。大電流が流れているようです。

 

メーターカバーを外して内部を点検しますが、特に異常ありません。

メーター照明の線はところどころキズがありますが、リークするほどではありません。

 

スピードメーター側もカバーを外して点検します。

こちらはスタックのメーターが付いているので、ノーマル配線は使っていないはずです。

 

ヒューズ切れの原因がわかりました。

メーター照明のプラス側端子が、カバーがめくれてメータブラケットに導通していたようです。カバーが焦げています。

先ほどのスピードメーターケーブルのネジが熱かったのも、ケーブルを電流が流れたからでしょう。

 

この辺を改修すると、全て正常動作となりました。

 

その他にも、ニュートラルインジケーターの線が挟まって潰れていました。

 

今回の電気系統の不具合は、整備不良によるものと断定。

配線周りの作業も、その作業の都度、深い理解と慎重さ、そして日ごろのメンテナンスが必要です。

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