エンジンの腰上を分解点検します。
ヘッドカバーを外します。バルブタイミングは正常、カムはノーマルですね。カム山などいたってきれいです。
バルブクリアランスは少々バラツキはありますが、異常な値はありません。
カムホルダーネジのトルクも全てかかります。
カムを外します。カムメタルはやや消耗気味です。
ヘッドを外します。ヘッドガスケットはノーマルですね。Oリング類の傷み具合も少な目です。
ピストントップのカーボンはも少な目。
シリンダーを外します。
シリンダースタッド穴には砂利などが溜まっているので、シリンダーを外すとこのように落ちてきます。
クランクケースは分解しない予定なので、ゴミは掃除機で吸い取っておきます。
シリンダーは大きなキズも無くきれいな状態です。
ボアはノーマルのφ69.4ミリです。
燃焼室のカーボン堆積も、この年式にしては少な目です。
ピストンを外します。走行中にサークリップが叩かれてサークリップ溝が内径側に変形すると、ピストンピンが容易に抜けなくなります。その時はピストンピンプーラーでピンを抜いてピストンを外します。
ピストンもノーマルです。
ピストンリングは摩耗してベタ当たりの状態です。ピストンは特に問題無いので、リングだけ交換しましょう。
コンロッド小端部もキズなど無くきれいです。
小端部にクランク点検棒を通します。J系では珍しくスルっと抵抗なく通ります。クランクの芯もあっているようです。
コンロッド小端部をつまんで、大端部のベアリングの状態を点検します。ガタ無くスムーズに動くので問題無いようです。腰下は特に分解の必要は無いようです。
エンジンはシリンダースタッドを脱着したような痕があり、腰上は分解歴があるようですが、相当前に実施されたようで、シリンダーベースのガスケットはかなり固着しています。おそらく2~30年は経っているでしょう。ガスケットを剥がす難易度はMAXレベルです。
ベースガスケットを剥がし始めて4時間が経過しました。まだ半分も剥がれていません。剥がし終わるまでには10時間くらいかかることになりそうです。