ジェネレーターカバーボルトの雌ネジがなめているとのことで修理します。
ヘリサート加工するため、下穴をドリルで揉みます。そのためカバーとローターを一旦取り外します。
ドリルで下穴を6ミリに拡大します。
ヘリサートタップでネジ切します。
ヘリサートを挿入します。
ダウエルピンが入るところなので、かなり奥の方にヘリサートが入っています。
ダウエルピンのところは首下40ミリのボルトが正しいのですが、使われていたのは35ミリでした。ネジのかかりが浅いためになめてしまったようです。上下2ヵ所とも正規の長さのボルトに交換します。
ボルトの長さはパーツリストに記載されているので、雌ネジがアルミの場合は正規の長さのボルトが必須です。図の120Fが今回のボルト。
「6×40」とは、M6ボルトで長さ40ミということです。
カバーの厚さを確認します。下側は約18ミリあります。
上側は約15ミリです。
40ミリのボルトを手で奥までねじ込みます。残った長さはカバーより狭いのでOKです。
上側も同様にねじ込むと、こちらはカバーの厚さより長く出ていますね。ネジ穴の奥の方が痛んでいるようです。
M6のタップで修正します。
今度は奥まで入るようになりました。
トルクもしっかりかかります。
分解のついでにスタータークラッチの締め付けトルクも確認しておきます。ここはトルクが足りないと緩むので要注意。
ジェネレーターローターボルトはネジロックを塗布して組み付けます。
締め付けは規定トルクでしっかりと。
ジェネレーターカバーを取り付けます。
ネジ穴の修理が完了しました。
スプロケットカバーを取り付ける際に、よく配線を挟んでしまうことがあります。こちらも被覆が痛んでいるので、過去に挟み込んだようです。配線まで挟むとショートするので要注意。
配線を挟まないように、タイラップで固縛しておいてもいいでしょう。
こちらはクラッチレリーズレバーです。ワイヤー受けの軸のところが摩耗して長穴になっているため、だいぶ偏っています。このまま使用するとちぎれるので、左の新品に交換します。
リターンスプリングも短くなっているので、上の正規品に交換します。
正しく付くとこんな感じです。
クラッチレバーは一式でZX12Rのものに交換されています。ケーブルアジャスターの切り欠きを上に向けておくと雨水の侵入でケーブルがサビやすいので、必ず下向きになるよう調整するといいでしょう。
切り欠きを下に向けるとこんな感じ。調整は1回転刻みで行うといいです。
クラッチレリーズの遊びを調整します。ここはクラッチ板の摩耗に応じて、定期的に調整が必要な所です。
続いてエンジンオイルを交換します。
次に、ヨシムラのマルチメーターを現行のプログレス2に更新します。
折れ曲がったステーもスッキリとフラットなものにしたいとのことです。
温度センサーもプログレス2用に交換します。コネクターの形状が異なるためです。
電源はヘッドライトケース内から同じように引き出します。
ステーを製作します。シンプルにこんな感じにしましょう。
ジュラルミン板で製作し、つや消しブラックで塗装して取り付けます。
新しいコックピットはこんな感じ。今回の作業はこれで終了です。