Z1000R2 S.T様 ジェネレーターカバーネジのヘリサート修理とレリーズレバー交換 マルチメーター取り付け

 

ジェネレーターカバーボルトの雌ネジがなめているとのことで修理します。

 

ヘリサート加工するため、下穴をドリルで揉みます。そのためカバーとローターを一旦取り外します。

 

ドリルで下穴を6ミリに拡大します。

 

ヘリサートタップでネジ切します。

 

ヘリサートを挿入します。

 

ダウエルピンが入るところなので、かなり奥の方にヘリサートが入っています。

 

ダウエルピンのところは首下40ミリのボルトが正しいのですが、使われていたのは35ミリでした。ネジのかかりが浅いためになめてしまったようです。上下2ヵ所とも正規の長さのボルトに交換します。

 

ボルトの長さはパーツリストに記載されているので、雌ネジがアルミの場合は正規の長さのボルトが必須です。図の120Fが今回のボルト。

 

「6×40」とは、M6ボルトで長さ40ミということです。

 

カバーの厚さを確認します。下側は約18ミリあります。

 

上側は約15ミリです。

 

40ミリのボルトを手で奥までねじ込みます。残った長さはカバーより狭いのでOKです。

 

上側も同様にねじ込むと、こちらはカバーの厚さより長く出ていますね。ネジ穴の奥の方が痛んでいるようです。

 

M6のタップで修正します。

 

今度は奥まで入るようになりました。

 

トルクもしっかりかかります。

 

分解のついでにスタータークラッチの締め付けトルクも確認しておきます。ここはトルクが足りないと緩むので要注意。

 

ジェネレーターローターボルトはネジロックを塗布して組み付けます。

 

締め付けは規定トルクでしっかりと。

 

ジェネレーターカバーを取り付けます。

 

ネジ穴の修理が完了しました。

 

スプロケットカバーを取り付ける際に、よく配線を挟んでしまうことがあります。こちらも被覆が痛んでいるので、過去に挟み込んだようです。配線まで挟むとショートするので要注意。

 

配線を挟まないように、タイラップで固縛しておいてもいいでしょう。

 

こちらはクラッチレリーズレバーです。ワイヤー受けの軸のところが摩耗して長穴になっているため、だいぶ偏っています。このまま使用するとちぎれるので、左の新品に交換します。

 

リターンスプリングも短くなっているので、上の正規品に交換します。

 

正しく付くとこんな感じです。

 

クラッチレバーは一式でZX12Rのものに交換されています。ケーブルアジャスターの切り欠きを上に向けておくと雨水の侵入でケーブルがサビやすいので、必ず下向きになるよう調整するといいでしょう。

 

切り欠きを下に向けるとこんな感じ。調整は1回転刻みで行うといいです。

 

クラッチレリーズの遊びを調整します。ここはクラッチ板の摩耗に応じて、定期的に調整が必要な所です。

 

続いてエンジンオイルを交換します。

 

次に、ヨシムラのマルチメーターを現行のプログレス2に更新します。

 

折れ曲がったステーもスッキリとフラットなものにしたいとのことです。

 

温度センサーもプログレス2用に交換します。コネクターの形状が異なるためです。

 

電源はヘッドライトケース内から同じように引き出します。

 

ステーを製作します。シンプルにこんな感じにしましょう。

 

ジュラルミン板で製作し、つや消しブラックで塗装して取り付けます。

 

新しいコックピットはこんな感じ。今回の作業はこれで終了です。