新品のZ1ヘッドを組み立てます。洗浄後、バリや異物が無いことを確認します。スプリングシートは新品を使います。
バルブステムシールは純正を使います。
バルブスプリングとリテーナーは既存のものを使います。
バルブはMk2用の純正新品を使います。
バルブを組み付けます。
インナーシム仕様なので、リフターはGPZ1100の純正新品を使います。
仮に中間サイズのシムをセットします。
ヘッド単体のやり易い状態で、先にバルブクリアランスを調整しておきます。
ヘッドカバーを洗浄します。2次エア導入装置のポートはZ1ヘッドには無いので、カバーは特にする必要は無くなりました。
2次エアカバー無しだとこんな感じです。
エンジンはピストンまで外します。ボアがφ75ミリなので、ケース側もボーリングされていますね。
外したピストンはこちら。特に目立つスカッフなどはありません。リングの摩耗もベタ当たりの少し手前といった感じ。
鍛造のオーソドックスな作りのピストンです。
洗浄後、点検します。マジックでマークしたところにキズがあります。
そのうちの全部かどうかはわかりませんが、このキズは軽いノッキングの痕のようです。
カーボンなどの異物噛み込みというより、溶けてできたキズに見えます。通常はピストンのエッジに発生しやすいです。
既存のヘッドとピストンを見比べてみます。
既存のヘッドガスケットを使って、ボアにマジックで印をつけます。
φ75ミリのボアは、燃焼室に対してこのくらい大きくなります。
ピストンを合わせるとこんな感じ。燃焼室の外周は、ほぼヘッドガスケットの厚さ分の狭い隙間「スキッシュエリア」となりますが、そこにノッキングが発生しやすいようです。
ヘッド側の方が冷えやすいので、ピストン側の方がよりダメージを受けやすいようです。組み立て後は、点火時期の設定を見直し、ノックの出ないところに調整する必要がありますね。シリンダーのベースガスケットは、銅製の0.3ミリと薄いものが使われていましたが、念のためグラファイト製の0.5ミリ厚のガスケットに変更し、若干圧縮を下げようと思います。