Z1000Mk2 M.H様 エンジン異音の点検

先日のツーリング帰りにエンジンから異音が発生しパワーダウン。そこからはゆっくり用心して帰ってきたとのこと。

オーナーさん自らヘッドカバーを開けて点検してみたそうですが原因は不明とのことでお持ち込み。

 

音はカム周りの音とのことで、先ずはその周辺を点検します。

 

ヘッドカバーを外します。一見してわかる異常は無いようです。

 

バルブタイミングも正常です。カムチェーンのたるみも極わずか。

 

バルブクリアランスを測定します。

全体的に0.1ミリ以下と狭く、エキゾーストの1番はクリアランスゼロでした。

パワーダウンはこれが原因でしょう。

 

カムホルダーの締め付けトルクは異常無し。

 

キャブホルダーは、一部分剥離しています。

 

内径部のゴムが欠けて無くなっています。ここはガソリンで膨潤したゴムがちぎれることがよくある場所です。ホルダーは全数新品交換します。

 

カムを外します。

 

カムチェーンローラー関係は、スムーズに回転するので全て異常無いようです。

 

前側のカムチェーンガイドは摩耗が進んでいます。

 

リフターを点検します。

 

通常通り上下が摩耗して光っています。わずかに樽状になっているということです。

 

直径を計測すると、摩耗量は0.01~0.02ミリほど。

念のため新品交換します。ヘッドのリフターホールの保護にも有効です。