走行中、急にフロントブレーキの引きずりが発生し、最終的には止まったまま動けなくなってしまったとのこと。冷ますとパッドは何とか抜けたので、そのままマスターごとそっくり外して送っていただきました。原因を究明します。

現状は、手でキャリパーのピストンを押し込もうとしても、内外が交互に出てくるだけで両方のピストンを押し込むことができません。どうやらマスター側にフルードが戻らないようです。

リザーバータンクを開けて点検します。特に異常は見当たりません。

マスター側でホースを外してからキャリパーのピストンを押し込んでみると、今度はすんなりと両方とも押し込めました。やはりマスター側に異常があるようです。

やはりマスター側に異常があるようです。

マスターを分解点検します。去年の納車後に、レストアしたものと交換し、その直後に異常が発生したとのこと。

ピストンは純正新品と同じものが入っていました。カップの位置が違ってリターンポートがふさがっていたということもなさそうです。

よくよく点検すると、画像にあるポート2個の内、右側の小さいポートが目詰まりしていることがわかりました。針で強く押すと、プツッとなにかが外れました。

キャリパーを組んでフルードを通してみると、正常に動作するようになりました。異物混入が原因だったようです。

この黒いマスターはレベル窓からフルードが滲むそうなので、代わりにシルバー塗装してレストアされたこちらのマスターを組み付けます。フルードを通してエア抜きし、このまま即取り付け可能な状態で返送します。

レバーの軸にはグリスを塗布しておきます。


黒い方のマスターは、窓を外して点検します。使用していた窓は、クラッチカバーにあるレベルゲージを代用したとのこと。新しいレベルゲージを準備します。直径を計測すると、締め代は径で約0.2ミリほどあります。

内面は若干腐食と窪みキズなどあるので、ペーパーできれいに均しておきます。


レベルゲージをバイスでゆっくり圧入します。

出口に蓋をしてフルードを入れます。

漏れるときは1
