エンジン組み立ての続きです。ピストンはPAMS監修のピスタルレーシング製φ76ミリを使用します。超軽量で現代的なデザインです。
エンジン腰下にピストンを組み込みます。
続いてヘッドの準備です。バルブはPAMS製の1ミリビッグバルブを使用。シートリングを交換しないでも、シートカットだけである程度のステム高さが保てます。バルブの沈み込みが減らせるので、圧縮比確保にも有利です。ポート部分のステム径が細いウエストタイプのデザインで、吸排気抵抗も減らせます。
バルブを組み込みます。
インナーシムなので、整備の手間を省くためヘッド単体の状態で先にバルブクリアランスを調整しておきます。カムはヨシムラST-2を使用。
シリンダーを挿入します。
軽くクランキングすることを確認します。
ヘッドガスケットなどをセットします。カムチェーンローラーはレーシングタイプを使用。
ヘッドを組み付けます。
カムを組み付けます。
ピストン上死点を割り出し、タイミングローターを正確にセットします。
エキゾーストカムのバルブタイミングを規定値に合わせます。
続いてインテークカムも同様に。
ヘッドカバーを付けて、これでエンジンは完成です。後日、車両を再び持ち込んでいただき、車載・継続車検・試運転と続きます。
今回のエンジン塗装はセラコートで行いました。塗膜が薄くノーマルの質感をよく再現できます。塗膜も非常に固くて丈夫です。
元の状態はこちら。現オーナーが30年以上走り込んだ、年期を感じる外観でした。
クランクケースはオーナーさん秘蔵の手前の前期型を使用。外観は汚れていますが、走行距離の少ない上物とのことでした。これがレストアすると新品のようによみがえります。