ステムボルトの締め付けトルクは4.0kg・mです。これは今回のように社外のステムでボルトがナット方式に変更されていても同じ扱いをします。
フォークを刺し、ステムボルトを規定トルクで締め付け、ステムがガタ無くスムーズにステアすることを確認します。ここでプリロードが過大となった場合は、一旦緩めてベアリングのロックナットを1/16回転程度ずつ緩めて、ステムボルトを再び規定トルクで締め付け、プリロードが適正になるまで調整します。プリロードが過大だと、ベアリングが早期に消耗し、セルフステアも弱くなるのでバランスの取り難いハンドリングとなるので要注意。
プリロードの適正値の目安は、ステアリングがセンターから少し切ったところでフォークの自重で切れていく程度にするとよいでしょう。
ハンドルクランプです。テンプメーターブラケットを挟んだボルトが短すぎるようです。これではネジのかかりが浅すぎて、母材がアルミの雌ネジはせん断されてしまいます。
ボルトを長い物に変更します。基本的に、アルミの雌ネジにボルトを締め付ける際は、ネジのかかりは直径の2倍以上確保するのが設計の基本です。ただ、このステムの場合はネジ穴が浅いのでそこまでの長さは確保できませんでした。
ノーマルとスーパーバイクは、ハンドル上面が地面と水平が基本です。この際、ハンドルの縦のラインはフォークと平行になるように作られていることが多いですね。見た目にもフォークとハンドルの縦ラインが平行になる状態が美しく見えるポイントです。
左のハンドルスイッチは経年でスイッチの節度が悪くなっていたので交換します。使用するのはW650純正のこちら。今回はハザード付きタイプです。位置決め用の突起は無くてもしっかり固定できるので、自由に取付できるよう削除します。
突起の削除はベルトサンダーを使うと便利です。
取り付けるとこんな感じ。純正スイッチなので耐久性があり、スイッチの操作感がいい状態で長持ちします。体が触れるところはなるべく上質のものを使いたいものです。ストレスフリーでいきましょう。
フロントタイヤを交換します。
一見、悪くないようですが、製造年は2011年の第5週となっています。10年以上前のタイヤですね。
タイヤを外します。
リムを点検します。
新しいタイヤはこちら。今回はダンロップロードスマート4をチョイス。街乗りからスポーツツーリングまでこなすオールマイティーなタイヤです。ハイグリップのα14Zよりはクイック感の弱い安定志向のタイヤです。サイズは110/80-18 150/70-18を使います。AMAルックならリヤはハイトのある70扁平タイヤが必須ですね。
タイヤを組み込みます。
今回のタイヤの製造年は、2021年の第45週でなので、2021年11月製造のフレッシュなタイヤです。
古いタイヤはセンター部分がより摩耗して丸みが大きなアールとなっています。これはハンドリングの悪さ、特に切れ込み感などに繋がります。タイヤは、走るシーンに適合した新鮮なタイヤにどんどん履き替えましょう。
タイヤを組んだらバランス取りします。
フロントホイールを取り付けます。腰上分解中のエンジンは、カムチェーンローラーなどの入荷待ちです。