Z1000Mk2 S.K様 ステムベアリング交換

 

フォークのダストカバーにクラックがあるので交換します。合わせてステムにガタがあるので点検します。

 

ホイールを外します。ベアリングはスムーズなので大丈夫です。

 

FX400のフェンダーが使われていますが、リベットにガタがあるので直したいとのこと。裏を見ると溶接されており、一度リベットが外されているようです。

 

リベットを小さいソケットでカシメ直し、ガタは無くなったのでこれで様子を見ていただきます。

 

フォークを外してダストブーツを交換します。

 

ステムにガタがあるので点検します。ステムボルトは緩かったので、これがガタの原因でしょうか。ステムボルトを締めてみますがアッパーステムが固定されません。

 

アッパーステムを外します。ステムに隠れていたステムナットは緩く、ベアリングを外すとアウターレースは面より下がって奥まで入っています。このテーパーローラーベアリングの装着時に、アウターレースの圧入が面一までで、走行とともに奥まで下がって緩んだものと思われます。

 

ステムボルトを締めてもアッパーステムが固定されなかったのは、ステムシャフトが座面よりわずかに出っ張っていたためでした。ボルトの中心付近しか当たっていません。

 

ボルトにステムシャフトの逃げを作ります。

 

シャフト径の部分を0.5ミリ削って逃げを作りました。

 

これで締め付けるとアッパーステムは固定されました。ところが強いクリック感があるので、ベアリングに損傷があるようです。

 

ステムを外してベアリングを点検します。

 

上下のローラーは特に異常ありません。

 

ロア側のアウターレースには、深い圧痕が付いていました。これがクリック感の原因でしょう。上下ステムベアリングも交換します。

 

ベアリングはテーパーローラーを使用します。

 

テーパーローラーベアリングのロア側には純正のダストシールが付かないので、代わりにいつものタンクキャップパッキンを使います。

 

ベアリングとステムの隙間にフィットします。

 

上下アウターレースを交換します。

 

上側は確実に奥まで圧入します。面からは0.6ミリほど沈みます。

 

ステムを取り付けます。タンクキャップパッキン流用のダストシールは、ステムパイプとピッタリ同径です。

 

ステムを復元します。今度はガタ無くスムーズに動きます。

 

イグニッションスイッチのシリンダーが調子悪いので、まとめてキーシリンダーセットで交換します。

 

既存のハンドルロックシリンダーを外します。

 

キャップと小物も新調します。

 

新しいハンドルロックを取り付けます。

 

フォークとホイール周りを復元します。