フォークのダストカバーにクラックがあるので交換します。合わせてステムにガタがあるので点検します。
ホイールを外します。ベアリングはスムーズなので大丈夫です。
FX400のフェンダーが使われていますが、リベットにガタがあるので直したいとのこと。裏を見ると溶接されており、一度リベットが外されているようです。
リベットを小さいソケットでカシメ直し、ガタは無くなったのでこれで様子を見ていただきます。
フォークを外してダストブーツを交換します。
ステムにガタがあるので点検します。ステムボルトは緩かったので、これがガタの原因でしょうか。ステムボルトを締めてみますがアッパーステムが固定されません。
アッパーステムを外します。ステムに隠れていたステムナットは緩く、ベアリングを外すとアウターレースは面より下がって奥まで入っています。このテーパーローラーベアリングの装着時に、アウターレースの圧入が面一までで、走行とともに奥まで下がって緩んだものと思われます。
ステムボルトを締めてもアッパーステムが固定されなかったのは、ステムシャフトが座面よりわずかに出っ張っていたためでした。ボルトの中心付近しか当たっていません。
ボルトにステムシャフトの逃げを作ります。
シャフト径の部分を0.5ミリ削って逃げを作りました。
これで締め付けるとアッパーステムは固定されました。ところが強いクリック感があるので、ベアリングに損傷があるようです。
ステムを外してベアリングを点検します。
上下のローラーは特に異常ありません。
ロア側のアウターレースには、深い圧痕が付いていました。これがクリック感の原因でしょう。上下ステムベアリングも交換します。
ベアリングはテーパーローラーを使用します。
テーパーローラーベアリングのロア側には純正のダストシールが付かないので、代わりにいつものタンクキャップパッキンを使います。
ベアリングとステムの隙間にフィットします。
上下アウターレースを交換します。
上側は確実に奥まで圧入します。面からは0.6ミリほど沈みます。
ステムを取り付けます。タンクキャップパッキン流用のダストシールは、ステムパイプとピッタリ同径です。
ステムを復元します。今度はガタ無くスムーズに動きます。
イグニッションスイッチのシリンダーが調子悪いので、まとめてキーシリンダーセットで交換します。
既存のハンドルロックシリンダーを外します。
キャップと小物も新調します。
新しいハンドルロックを取り付けます。
フォークとホイール周りを復元します。