S1キャリパーはスリットの幅が狭いので、ローターとのセンター合わせは正確に行う必要があります。検討の結果、11.5ミリのスペーサーを挟んでキャリパーサポートを取り付けます。
キャリパーを取り付け確認します。
ローターとキャリパーのセンターは、0.5ミリ以下の精度で合わせた方がいいでしょう。
続いてリヤのキャリパーサポート周りの仕上げです。お持ち込みのサポートに合わせてカラーを製作します。
各種厚さのシムを用意しているので、それらを組み合わせて現車合わせでカラーの寸法を割り出します。
カラーの寸法がほぼ決まったので最終確認です。
裏側はこんな感じ。
お持ち込みのトルクロッドは、少し長さが足りません。
サポートとの接続にはオフセットも必要なので、4センチロングでこんなオフセット型で製作。
トルクロッドを取り付け、リヤキャリパー周りが付きました。
このS1キャリパーは古いものなので分解点検します。
リヤ用はピストンに数か所傷がありました。
ピストンの傷は、サンドペーパーで平らに均しておきます。
分解洗浄後、詳細に点検します。
リヤのピストンシールは、ピストンの傷の影響でシール側も傷ついていました。
シールは代替品に交換します。使用するのは自動車用のサービス部品で、ミヤコ自動車製のTP-13を使います。主な適合車種は「パルサー サニー アルト」とありますね。
シールキットの内容はこちら。使用するのは左側のピストンシールのみです。
寸法は全く同じというわけではありませんが、探した中では最も近く、実用上は特に問題ありません。
キャリパーを組み立て、各部を規定トルクで締めます。
ドッキングボルトも規定トルクでしっかりと。
S1キャリパーの分解点検が完了しました。
フロントキャリパーはやはり脱着がきついので少し手直しします。内側のブリーダーの先端を短くします。
脱着の際にキャリパーが傾き易いよう、角を少し削っておきます。
次にフロントマスターです。お持ち込みのこちらのマスターから選んで使います。
よさそうな2個をオーバーホールします。固着はしていませんが、シリンダー内は腐食が進行しています。
バンジョーの周り止め突起は、S1仕様にする際干渉するので削除しておきます。
フレックスホーンでシリンダーを軽くホーニングします。
ホーニング後はこちら。
ワークス車のフロントマスターはシルバーボディーのことが多いので、リムーバーで塗装を剥離しておきます。
剥離後はこちら。ガラス窓の方がきれいに見えるので左が本命。
マスターを仮組します。タコメーターに干渉しますね。
メーターブラケットをスペーサーで前に移動して何とか成立。
ブレーキホースを現車合わせで製作します。
ブレーキホースを取り付けます。
リヤはこんな感じ。