Z1R2 I.Y様 膨張タンクの修正

サスペンションの変更と、エンジンオイル漏れ修理などのご依頼です。

 

車両は2型ですが1型のタンクを載せているとのこと。

ですが、どうも1型特有のスリムな感じがしないと思ったら、

タンクの下側が膨らんで広がって入るようです。

ハンドルを切るとフォークカバーがタンクに干渉するので、

切れ角がかなり減少しています。

左はここまで。

 

ガソリンを抜いてタンクを調べます。

使っているガソリンもレギュラーとのことで、全部抜き取ります。

輸出車には是非ハイオクを使ってください。

 

タンクマウントは、長いゴムでかなり延長されています。

 

ここで、ノーマルのマウントラバーを付けて、幅を確認します。

 

外したタンクがこちら。

Z1Rの1型の場合、タンクの側面はかなり垂直気味のはずですが、

こちらのタンクは「ハの字」に広がっています。

 

裏側を見ると明らかに広がっているのがわかります。

過去に板金塗装したそうですが、その際にエアで膨らましてしまったのでしょうか。

タンクの漏れチェックなどでエア加圧する場合、

少ない圧力でもタンクは簡単に開いてしまうので要注意です。

約0.5kg/cm2以上入れるとこのように塑性変形してしまうこともあります。

 

フレームのマウント幅が約227ミリです。

同じ幅の厚紙を当ててみると、5センチほど広がっているみたいです。

 

エンジンオイルが飛散して汚れているので、先ず洗浄します。

 

タンクの開きを修正するため、ラチェット式のタイダウンで縛ります。

 

徐々に縛り上げ、ようやく元の幅に近くなりました。

スプリングバックがあるので、一旦これ以上に縛り上げます。

 

マウント部の内幅をほぼ純正並みに修正しました。

タンクの前方は、厚く盛られていたパテのため剥がれています。

 

修正したタンクを載せてみます。スリムな1型の形が戻ってきました。

コックのマウントも、かなり後方に曲げられています。

キャブを避けるためでしょうか。

修正のためコックを外すと、内部にはかなりサビの堆積があるようです。

 

内径に合う棒を差し込んで、マウントネジの向きを修正します。

 

コックはガソリンが滲んでいましたが、パッキンの交換で漏れは直りそうです。

 

コックの修正後はこちら。

つまみが干渉してリザーブまで回せない状況は解消しました。

 

キャブとのクリアランスは十分にあるようです。

 

ハンドル切れ角も、右側はフルロックまでOKです。

 

左はまだ若干タンクに干渉しますが、ここまで回復しました。

 

続いて、チェーン&スプロケを630から530へ変更するので外します。

 

フロントスプロケナットのトルクはかなり少な目、

ミッションカバーのオイル付着は多めですが、

オイルシールからの漏れでは無いようです。チェーングリスですね。

 

洗浄して更に点検しますが、特に問題無いようです。

 

リヤホイールの動きが渋いのでこちらも点検します。

 

リヤのブレーキパッドを外すとホイールの回転はスムーズに。

キャリパーピストンの動きが渋いようです。こちらも要オーバーホールです。

 

続いて、エンジンオイル漏れの点検です。

タコメーターギヤの周辺とエンジン前側に、

かなりの量のオイルが付着しています。

 

単純に、タコギヤからの漏れのように見えます。

ケーブルのナットも割れています。

 

タコギヤのハウジングを外します。

Oリングは完全にヘタっており、シールテープが巻いてありました。

 

他に異常個所が無いか、オイル汚れを落として再度点検します。