こちらはお持ち込みのオイルフィルターアダプターです。カートリッジタイプに適合するとのこと。
お持ち込みのオイルパンに合わせてみます。他にも改造ヶ所がいくつかあります。
Oリング周辺に液体ガスケットが付着しているので、エンジン内部に流れないようきれいに除去します。
洗浄後はこちら。
温度センサーもオイルパンに付きますが、ねじ込んでみるとガスケットの厚み分ほど隙間が空きます。
ねじ込み代にもう少し余裕が欲しいので、ネジの口元を少し面取りしておきます。
オイルパン周辺パーツが用意できました。オイルポンプはサンクチュアリ製のハイプレッシャータイプを使用します。
オイルポンプを取り付けます。こちらは完全ボルトオンです。
オイルパンとアダプターを取り付けます。
スイングアームは仮組の状態でピボットにかなりガタがあったので外して点検します。よく見るとカラーの内径がシャフト径より大きいですね。
カラーの内径を測ると17ミリでした。ピボットシャフトは16ミリなので1ミリ大径です。このS1スイングアームを付けてからいままでこれで走っていたとのこと。カラーはS1スイングアーム付属の物ではないので、ワンオフ製作時に設計ミスがあったのでしょうか。
内径を変換するカラーを作ってみますが、薄肉なのでなかなか製作が難しいです。
検討した結果、S1スイングアームなので純正のピボット周りが使用できるので純正化することにしました。手前の部品が純正のセンターカラーと左右ブッシュです。
センターカラーはベアリングを抜かないと挿入できないのでベアリングを外します。
純正の新品ベアリングを片側に圧入し、センターカラーを差し込みます。
反対側のベアリングも圧入し、左右のブッシュを挿入します。
これで内径16ミリの正規の状態になりました。
スイングアームを取り付けます。今度はガタ無くスムーズです。
ホイールを仮組します。
オイルクーラーコアはサイドに穴開け加工したので塗装します。
コアを取り付けます。垂直マウントがワークスの証。
検討の結果、オイルパンは未加工のノーマルに戻すことに。温度センサーもオーソドックスにエンジン右側プラグに設置します。この辺もノーマル状態の方が結局一番整備性がいいでしょう。
S1キャリパーも状態を確認します。濃い色のものがお持ち込みの物。取付ピッチはS1ピッチとのことでしたが、見た感じはロッキードピッチのもよう。
上がお持ち込みの物。やはり88.9ミリのロッキードピッチでした。下が弊社のS1キャリパーで92ミリのS1ピッチ品です。台座の中心にネジ穴があるかズレているかでわかります。
キャリパーの脱着性も確認。現状ではローターを浮かせないと装着不可能です。
内側のブリーダーを外して何とかキャリパーをはめることができました。片方だけついていたサポートは車軸方向の寸法が合わないようで、左右とも新規に製作する必要がありますね。
ローターのスパンを測ってみます。外々で124ミリほど。これでは狭すぎてキャリパーの脱着はパッドを外しても不可能でしょう。ローターのオフセットをもっと増やさなければなりません。この車両のS1ステムのフォークスパンはノーマルより15ミリほど広く作られているので、オフセット増加に対しては余裕がありますね。
こちらはデモ車のフロント周り。弊社の車両、フォークスパンはノーマルのまま、ロータースパンはその状態での最大値130ミリで設計しています。これだとモーリスホイールでS1キャリパーの脱着はパッド付でもギリギリ大丈夫です。φ330ローターとS1キャリパーの組み合わせは、微妙な寸法設定の中でしか成り立たないのです。