充電系統修理の続きです。錆の多かったバッテリーケースは簡単に塗装して組み付けます。レギュレーターは整備性のいいバッテリーケース前に移設します。
キャブ後方隔壁も装着します。
ブリーザーホースはシンプルな90°曲がりホースを使用します。
電装系復元後はこちら。ハーネスはできるだけ目で追いかけやすいシンプルなレイアウトにします。
不要なユニットを外すと、左サイドのメインハーネスのカプラーは2個になります。
バッテリーはやや小型のMFタイプに変更。隙間は硬質スポンジで作ったスペーサーで埋めます。
続いて漏れているリヤマスターを修理します。
リザーバータンク内はフルードがありません。相当な量漏れていたようです。
マスターを外して分解点検します。
シリンダー内部は、口元部分が錆びた状態で動かしたような痕跡があります。若干ざらついている程度なので、ホーニングすれば再生可能でしょう。
フレックスホーンでシリンダー内面を研磨します。
研磨後はこちら。
ピストンセットなど、現状揃う純正部品を全て交換します。
マスターのマウントに使われていたスペーサーは、乗り上げていたので角を大きく面取りします。
ネジ山も痛んでいたのでタップで修正します。
リザーバーホースも短いので新品交換します。S1ステップの場合、レバー比が小さいのでブレーキの効きが悪くなります。ペダルの作用点はステップ寄りにしてレバー比を稼いだ方がいいでしょう。
キャリパーを外してエア抜きします。漏れが無くなったのでペダルタッチの剛性感は格段に良くなりました。
続いてエンジンオイル漏れの修理です。
ドレンボルトにオイルの雫があり、エンジンオイルが漏れているようです。
マフラーを外す際、オイルホースとエキパイの干渉を発見。これは要修理。メッシュホースの内部はゴムホースなので、外から解らないうちに熱で内部のゴムは破損してしまいます。
左ホーンのハーネスも被覆が溶けています。これもエキパイに接触していたようです。
ドレンプラグを外し、オイルを抜きます。
クランクケース前側は、オイルでかなり湿っていますね。現状では出所はわかりません。オイルパンまでオイルが周っています。
ドレンプラグの取り付け面は、1カ所打痕がありますが、それほど大きなダメージは無いようです。オイル漏れ症状は、周辺から垂れて下に周ってきたオイルが原因かもしれません。
Oリング類も特に痛んではいませんでしたが、念のため全部新品交換します。
ケース前面に付着したオイルを洗浄しておきます。ヘッドガスケットやベースガスケット付近は濡れていないので、オイルの出所は今のところわかりません。
オイルパン表面も洗浄します。
マフラーを取り付けます。オイルホースは確実にエキパイから離して固縛します。
ホーンハーネスもしっかり固縛します。
試運転し、修理箇所が問題無いか確認します。充電はOK。リヤブレーキも十分効くようになりました。ハンドリングの違和感は若干感じますが、ステムベアリングなどには異常が無かったので、タイヤのキャラクターの問題かもしれません。ダンロップのα14zなどが軽快なハンドリングになるのでお勧めです。
付いていたCRキャブはスローを微調整。現状でセッティングは特に問題ありません。
ガレージに戻りオイル漏れが治ったか確認します。今のところ漏れている個所はありません。
エキセンの向きを変え、リヤアクスルを下にしてリヤ車高を上げたので、走行中にチェーンがスイングームピボット上に擦れる音が目立つようになりました。緩衝材として大径のビニールチューブを巻いておきます。
オイルクーラーバンドの劣化も発見しました。もう少しで切れそうです。
適合するカワサキ純正のゴムバンドに交換します。
ゴムはいろいろな種類の材質がありますが、純正品はバイクの使用環境を考慮しているようで、耐久性は一番いいようです。