ヘッドを組み立てます。ヘッド本体以外は、ほぼ全て新品部品を使います。
バルブも新品を使い、シートカットしてステムエンドもそれに合わせて研磨してあります。ハイカムなので、インナーシム化し、バルブスプリングも強化品を使います。
元のヘッドはネジ穴が痛んでいたので別の程度のいい中古品に交換し、それを仕上げて使います。修正箇所はシートカットと、修正面研程度。
バルブを組み込みます。
インナーシムなので、整備性がいいヘッド単体でバルブクリアランス調整を行います。先ずは中間の厚さのシムをセット。
カムを組み、バルブクリアランスを測定。シム交換後、再度カムを組んで測定します。
インテーク、エキゾーストそれぞれシム調整します。
続いてシリンダーです。井上ボーリング製のICBMで仕上げました。ボアはφ76ミリです。
スリーブはアルミ製でヘッドと一体化したように境目が分かりにくい感じ。シリンダー内面はメッキされ、表面粗さの低いプラトーホーニングで仕上げられています。
アルミスリーブなのでスリーブの肉厚は厚くとられており、スリーブの外径はかなり大きめです。今回の場合はφ82ミリあります。
スリーブが鋳鉄製からアルミ製に置き換わったので、シリンダー全体ではかなりの軽量化となっています。持つと明らかに軽いのがわかります。
シリンダーベースガスケットは、特別にビッグボアのものが必要です。対応するものがなかったので、1200cc用のベースガスケットをさらに拡大加工して使います。
このベースガスケットはφ82ミリです。アルミスリーブがφ83ミリなので、少し余裕を持ってφ84ミリに加工します。先ずはサークルカッターでケガキます。
サークルカッターのみではガスケットの芯が切れないので、小さい円用のハサミで切り抜きます。
ボアの拡大ができました。
ハサミはこんな感じで少し湾曲しています。カーブを切るのに適していますが直線も切れるので、ガスケットの加工には重宝します。
加工したベースガスケットをシリンダーに合わせて確認します。
準備ができたのでエンジン腰上を組み立てます。
シリンダーを挿入します。
ヘッドガスケットなどをセットします。
ヘッドを組付けます。
カムを組み込みます。
カムチェーンテンショナーはS1タイプを使用します。
レンチでクランキングして、軽くスムーズに回ることを確認します。