塗装の終わったエンジンの組み立てを開始します。
塗装はセラコートで行いました。純正同様の薄い塗膜でありながら、塗膜の強度はウレタン塗装より高いのが特徴。見た目が純正然としているのがいいですね。
ケースにある全ての雌ネジはタップを立てて内部の異物などを取り除きます。特に塗装前にサンドブラストしているので、メディアがネジ穴に少しでも残っていると、組付け時にボルトのネジ山がかじって締め付けできなくなったりするので必須の作業です。
特にミッションカバー周辺の奥まったネジ穴は要注意。あとで修正するのは極めて困難になります。
ここのネジ山はなめてなくなっていたので、ヘリサートを入れて再生します。今使っているのはヘリサートタップです。
ヘリサートを挿入します。
全てのネジ山が整ったところで組み立てを開始します。洗浄後、先ずはシリンダースタッドをセットします。
アッパーケースは反転して準備OKです。
クランクはお持ち込みのリビルド品を使用します。
振れは0.03ミリで問題ありません。
点検棒はきつめですが何とか通りました。J系の多くは点検棒が通らないことを考えると状態はいいほうです。
クランクをアッパーケースにセットします。
続いてミッション。入手できる部品は全て新品交換します。特に、アウトプットシャフトとシフトドラムが重要です。
アウトプット側を分解します。シャフトは前期型から後期型に変更します。スプロケの固定は後期型のナット止めが圧倒的に信頼性が高いので、これは是非行っておきたい内容です。
アウトプット側、組み立て完了です。
続いてインプット側を分解点検します。クラッチ板とクラッチスプリングは社外品でした。
クラッチハウジングとハブも新品交換します。こちらも新品部品があるうちは是非やっておきたい内容です。
古い方は段付き摩耗があり、これがクラッチ滑りやつながりのスムーズさを阻害する要因になります。
ハウジング側も同様に段付き摩耗しています。
クラッチ板は純正新品を使います。伝達トルクのキャパシティーは十分にあるので、信頼性のある純正品がお勧めです。
対して、クラッチスプリングは純正では1200ccのパワーには少し役不足なので、付いていた強化スプリングを使用します。
インプット側、組み立て完了です。
ケースにミッションをセットします。