ガソリンタンク内にもサビがあるので、コックを外して異物がないか点検します。
フューエルフィルターの蓋を外します。こちらにもコケのような堆積物があります。
コックを外して下から覗いたところにあるフィルターです。ゴミの詰まりは無く、フィルターのメッシュも傷んでいないようです。
外したコックのタンク側です。ここはタンク内の異物が溜まるところです。サビが結構堆積していますね。吸い口にはフィルターがあるので、異物は直ちにキャブに向かうというわけではありません。
コックを分解洗浄し、パッキン類を新品交換します。
洗浄したコックを組み立てます。
キャブも洗浄して組み立て完了です。
キャブをエンジンに取り付け始動チェックします。今度はアイドリングも吹け上りも調子よくなりました。エンジン不調の原因は、主にスロージェットが詰まっていたためという結果になりました。
その他にも、過去に不具合のあったイグニッションスイッチを交換しておきます。
右側のPMC製に交換します。
メインハーネスは15年前に交換済みとのこと。その時も未交換だったセンターハーネスは、いい機会なので今回交換します。
既存のハーネスを外し、ブラケットを組み替えます。
新しいセンターハーネスを取り付けます。メインヒューズBOXも、ミニブレードタイプの新品に交換します。
その他にも、通常の車検整備を行い、ブレーキフルードも交換します。
クラッチレリーズの調整も行いますが、レバー部分のアジャスターの向きを修正します。切り欠きが上に向いていると、雨やゴミが入るので下に向けて止めることをお勧めします。
アジャスターボルトの切り欠きを下に向け、ナットとのクリアランスは2~3ミリにセットします。ナットの切り欠きの向きはどこでもOKです。
中間のアジャスターを少し緩めておき、レリーズとプッシュロッドのクリアランスを規定値に調整します。現状はクリアランスがほとんどありませんでした。クラッチ板が摩耗するにしたがってクリアランスは狭くなっていくので、数千キロ走行ごとに調整するといいでしょう。
ノーマルのマニュアルカムチェーンテンショナーも調整します。ロックナットを緩め、プランジャーのロックボルトを緩めれば、内部のスプリングでプランジャーは自動的に適正に飛び出し、カムチェーンの弛みを取ってくれます。再度ロックすれば調整は完了です。
組み上がったので試運転に向かいます。
アイドリングは安定し、スロー系の不調もなくなりました。まだ完調とは言えませんが、古いキャブとしては調子がいい方でしょう。エンジン本体は非常に好調のようです。
今回の作業はこれで完了です。