Z1000R T.T様、2年振りの今回は、継続車検とCRキャブの修理などが主なメニューです。

オーバーフローするらしいCRキャブを外して点検します。現状ではオーバーフローは確認できず。

初めて触るCRキャブなので、先ずはスロットルケーブル受けの径を拡大して整備性を良くします。

スロットルも重いので軽くしたいとのこと。現状はかなりのハイスロなので、リール径の小さなものに交換して対応します。

使用するスロットルはこちらのアクティブ製タイプ3です。

スロットルのリール径は現状の約φ42ミリから最小のφ36ミリに小径化します。

ほぼノーマルと同じリール径なので、ハイスロットルとはならなくなりますが、ツーリングメインで楽に乗りたいならお勧めなサイズです。

新しいスロットルボディーを取り付けます。

続いて本題のCRキャブです。フロートチャンバー内はきれいで、タンクのサビなどの異物は見られません。

フロートとニードルバルブを分解します。

CRキャブのニードルバルブ先端のテーパー部はゴムコーティングされていますが、特に段付き摩耗や異物の嚙み込みなどは無いようです。

内部に異物があるかもしれないので、エアブローしておきます。

ニードルバルブのネジは、舐めていたり不揃いだったりで、いじった痕がありますね。

メインジェットも#132と大き過ぎるので、標準的なサイズにしておきましょう。

スロージェットの緩みがないか確認しようとドライバーで触れると、1ヶ所根元から折れてしまいました。

奥に折れ残ったジェットが見えます。

精密ドライバーで丁寧に回すと、幸いなことに緩んできました。

無事に取り出し成功です。

念のため、他のジェットもストレスがかかっているといけないので、同サイズで全部新品交換しておきます。

メインジェットは#132から#125に交換します。

リモートアイドルアジャスターも取り付けます。

古いキャブホルダーも点検します。

少しクラックができ始めているので、全数新品交換します。

キャブホルダーを外します。

外したキャブホルダーをよく見ると、キャブのアダプターと適合していないタイプが付いていました。ちょうどいい機会でしたね。

奥がもともと付いていた1131タイプ、手前がこのアダプターに適合する1135タイプです。内側の出っ張りの位置と形状が異なるので、注意して選択する必要があります。

新しい1135タイプのホルダーを取り付けます。

ホースバンドも純正ではCRキャブの片持ちには弱いので、ウォームネジタイプのホースバンドに変更します。

キャブを復元します。

既存のスロットルグリップは比較的小径なので、少し太目なスーパーバイクグリップに変更します。これもスロットル操作を軽くする効果的なアイテムです。

直径で約3ミリほど太くなりました。

後は通常の車検整備です。ブレーキはフルードを交換します。

同じくリヤブレーキも。

フォークのエアーは、規定値に調整します。

タンクを載せてフューエルホースを繋いだところ、コックのあたりからガソリン漏れしています。

コックは問題ないので、少し硬化した太目のホースの繋ぎ目から漏れているようです。

ホースバンドを強力なタイプに交換して対応します。

ガソリン漏れは無くなりました。

汚れたチェーンはチェーンルブを塗ってからウエスで拭き上げます。

チェーンのシルバーメッキがきれいに見えるようになりました。

既に車検が切れているので、仮ナンバーで試運転します。明日は陸事持ち込みで継続車検です。
