電源喪失してエンジン始動不可とのことで引き取りに行ってきました。合わせて継続車検も実施します。
先ずは現状把握。イグニッションスイッチをONにしても電源が入りません。
ヒューズBOXのヒューズ端子間の電圧を計測しますが、どれも電圧がありません。
メインヒューズを何度か計測すると、電源が復活しました。前回もメインヒューズの端子の接触不良と診断し、その時は接点復活剤で直ったと思いましたが、原因は別にあったようです。
現状、電源は復活し、エンジンも始動できるようになりました。
何度もエンジン始動してみますが、問題有りません。その他の灯火類も全て正常です。
ヒューズBOX周りを分解点検します。
こちらはジェネレーターとレギュレーター間のカプラーです。メインハーネス側のオス端子は特に問題無し。
レギュレーター側のメス端子は、接触抵抗の熱でしょうか、カプラーが溶けています。
こちらはメインヒューズとメインハーネスの接続部のギボシです。
端子はかなりひどく腐食しています。一連の電源喪失の原因はこれのようです。
端子はカットして新品交換します。
交換後はこちら。ここは全電流が通るので非常に大事な回路です。
レギュレーターを外します。未交換の古いままです。
溶けたカプラーを切断し、新しいカプラーと端子に交換します。
今回交換しない端子には接点復活剤を塗布しておきます。
ヒューズBOXはミニブレードタイプのものに交換します。
同じような不具合が他の端子でも起きていると考えられるので、古いメインハーネスなど電装系は一度全て新品に交換することをお勧めします。
こちらも気になる点が。
キャブホルダーのホースバンドの先端が、スロットルリンケージの出っ張りに大きく干渉しています。引っかかって全開状態でスロットルが戻らなくなった場合、戻し側のケーブルが無いノーマルキャブは暴走してしまいます。とっさにキルスイッチを切るのは熟練者でもなかなか難しく、最悪は大惨事を招きます。車両整備はスキルがある方が行ってください。
とりあえず、バンドが当たらない位置までずらして止め直します。
続いて車検整備です。ブレーキフルードも交換します。
リヤブレーキも同様に。定員1名化などの構造変更は前回行っているので、今回はこのままで車検に通せるでしょう。