クラッチレバーを変更してから、クラッチが滑るようになったとのことで点検します。今回は事前に詳しくお話を伺ったうえで、レリーズの調整不良が原因と読んで、日帰りでの作業を計画しました。
軽くするために取り付けたというクラッチレバーがこちら。レリーズアームも腕の長いタイプにしてあるそうです。現状ではエンジンが温間にも関わらず、レバーの遊びが全くない状態です。
レリーズの遊びを点検します。やはり、適切な遊びは無く、クラッチプッシュロッドが常に押されている状態でした。これが滑りの原因でしょう。
クラッチレバー周りは全て純正に戻すことに。ハンドルも現在のセパハンからコンチハンに交換します。
トップブリッジを浮かせてクリップオンハンドルを上に抜き取ります。
AREA製のスーパーバイクハンドルを取り付けます。
スイッチとスロットルを復元します。クラッチレバーはZ1300純正品で、Z1000J純正よりわずかに長いのでクラッチ操作力が軽減できます。その他クラッチレバーホルダーなどはZ1000R純正品を使います。何れも今でも純正品が購入できます。
レリーズレバーは腕の長いイージークラッチ用から、純正の腕の短い物に交換します。純正の方がプッシュロッドのストロークを多く確保することができるので、温間時でも確実にクラッチを切ることができるためです。ケーブルを潤滑し、適切に純正部品を使用して組めば、成人男性で1000J系のクラッチレバー操作力が重いと感じることはないはずです。
フロントスプロケボルトの周り止めが無く、ロックタイトも使用していなかったそうなので、安全のためロックタイトを塗布してスプロケボルトを組み直します。
作業終了後、クラッチレバーの操作力は以前とさほど変わりがありませんでした。これで滑りは解消し、クラッチ操作のフィーリングも向上するでしょう。以上、3時間ぐらいの作業でした。