クラッチ滑りがあり、ご自分でいろいろ対策されたそうですが改善できないとのこと。修理します。
クラッチプレートとフリクションプレートは既に新品交換済みとのこと。クラッチを分解点検します。
お持ち込みの中古クラッチハブと比較してみます。
段付き摩耗はありますが、さほど進行してはいない様子。お持ち込みのハブも同程度の段付き摩耗です。
ついていたハブが左側。
一部溶接で補修されており、信頼性が無いので迷わずお持ち込みの中古ハブに交換します。
クラッチ板類は新品同様で問題無し。
Z1000Jと共通のハブは純正新品が出るので、在庫の新品を組み付けます。
ガスケットをきれいに剥がします。
新品ハウジングと中古ハブを使って組み立てます。
スプリングも既に新品交換済みとのこと。
1時間ほどで復元完了です。
エンジンパワーがあってもクラッチが滑るので、内視鏡でエンジン内を点検します。
エンジンの仕様は不明とのこと。シリンダー内を内視して、ピストンの形で判断します。シリンダーは特に大きなキズはないもよう。
ピストンは、トップの盛り上がり形状と、バルブリセスのエッジの丸み具合からノーマルと判断。エンジン内部は特に改造されていないようです。ハブ周りの交換でクラッチ滑りが直ればいいのですが。
そのほかも点検。チェーンが張り過ぎでパンパンです。
スイングアームの垂れ角が大きい上に張り過ぎなので、このままでは3軸のベアリングなどが破損してしまいます。リヤサスのプリロードが大きいので、タイダウンで締めてリヤサスを縮め、スイングアームの垂れ角をできるだけ減らしてからチェーンの張りを再調整します。
まだ3軸が一直線にはなっていないので、この状態でもたるみの振れを3センチほど確保して調整します。
タイダウンを緩めて1Gにすると、チェーンはかなりダルダルに緩みますが、決してこれ以上は張ってはいけません。チェーンのアイドラーローラーなどを追加してたるみを取るなどしてください。