電装品点検の作業が終了し、引き取りを待っているときのことでした。
過去に作業したところを全体的に眺めていたところ、スイングアームに重大なトラブルを発見しました。
エキセンハウジングに大きなクラックがあります。
溶接ビードの部分はまだ繋がっているようですが、ほぼ破断しているといってもいいでしょう。これではもう走行できないので、引き続きお預かりすることに。
締め付けトルクを確認しますが、もちろんトルクはほとんどかかっていません。
スリットにレバーを差し込んでみると、抵抗なく開いていきます。
クラックは内側まで完全につながっています。
数回屈曲すると、溶接ビードのところもちぎれました。
ほぼこの状態で乗っていたことが解ります。
断面を詳しく見ていきます。
長細い断面形状から、縞模様の方向は横一線に揃っており、幾重にも連なっていることから、徐々に進行したクラックと思われます。
この事例は度々目にするので、S1スイングアームの弱点と言えるでしょう。下側にクラックが入る事例もあります。
最近行った同様の修理と同じように、エキセントリックハウジングを切り取ってこちらに交換する方法での修理となります。同じ事例は続くものです。